見本品・サンプルの販売管理システム上の処理

通常有償の商品を販売促進のため見本として無償で得意先に提供する場合がある。
この商品の在庫は減らすが、その原価は広告宣伝費として処理したい。 すなわち売上原価に埋没させず、仕訳転記しても仕入から除外して販売管理費に反映させる場合の処理はどうしたらよいか。
また、提供した得意先に対する請求書には金額が0円でも出力したくないが、当該得意先に提供したサンプル品を後で検索できるようにもしたい。

売上原価は販売管理と会計では算出方法が異なる。販売管理は売上入力時の売上原価を積算するのに対し、会計では棚卸金額を差し引き算出するので両者では差異が生じる。
売上・仕入データは自動仕訳で転記し、在庫一覧表の期末在庫金額を、商品/期末棚卸高、前期在庫金額を、期末棚卸高/商品で仕訳入力することにより、販売管理と会計の売上原価は一致する。
期首商品棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高=当期売上原価となる。

見本品を出庫入力で在庫減らすだけでは、在庫一覧表の在庫金額は標準原価法・最終仕入法・移動平均法いずれで算出しても売上原価になる。
売上原価でなく販売管理費にするには、見本品の原価を別に把握しなければいけない。
別の商品コードで管理すると在庫管理がうまくいかないし、通常商品コードで単価=0にして得意先に対する売上にすると請求書や売掛台帳に出力される。(出力されないようにプログラムテクニックを使うことは可能だがシスティマティックでない)

解決法として「サンプル」という仕入先を新たに作成し、経費伝区にして実際の商品コードで仕入入力する。 この時、摘要や備考に提供した得意先名を入力しておく。
仕訳転記すると、広告宣伝費/買掛金[サンプル]で計上されるので、月末に合計金額で支払入力の値引処理、買掛金[サンプル]/仕入値引で仕訳転記をしたらよい。

販売管理パッケージ「ふくろう販売」の画面で詳細を下記にアップした。
詳しい具体例は、「サンプルを広告宣伝費として管理する方法」を参照。

 

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