立替運賃の販売管理システム上の処理

商品を送る際の運賃を当方と得意先で折半という場合に、納品書・請求書には運賃を反映させるが、入金は商品代と合計で入る。
会計と連動しているので、伝票毎に運賃は未払金で転記し、運送会社に月末支払時には、未払金を消し込むというような処理である。
基幹業務システム導入してから何年か経って修正要望が出てくる事も少なくない。
生地卸問屋のユーザも得意先各店舗毎のOCR指定伝票をシステム化したいという依頼がきた。
現状は税抜単価で各店分もまとめて売上伝票入力し、各店には手書きでOCR指定伝票記入、請求書は業務システムから得意先本店にまとめて発行するが、各店別には手書き指定伝票から手入力でEXCELで作成していた。
運賃も半額分を指定伝票に手書きするが、1ケ月分合計を本店請求のため売上伝票入力する。
それを各店毎に税込単価で売上伝票入力し、立替運賃も同じ指定伝票に業務システムから印字し、締切日には各店別請求明細付きで本店宛に集約請求書を発行するという修正である。
下記のイとロの指定伝票からハの請求書発行というイメージである。

イ.【10/08__甲社_A店__指定伝票____no=11】
商品__________数量_____単価____金額
プリント生地  10   105  1,050
水玉生地   20   210  4,200
運賃___________________________________420
合計________________________________5,670

ロ.【10/15__甲社_B店__指定伝票____no=21】
商品__________数量_____単価____金額
プリント生地  20   105  2,100
運賃___________________________________420
合計________________________________2,520

ハ.【甲社 請求書】
前回請求残 当月入金 当月売上 当月請求残
________0______________0_____________8,190___________8,190

年月日 伝票no 伝区 金 額
<< A店 >>
10/08   11   売上  5,250
運賃   420
A店計__________________________5,670
<< B店 >>
10/15   21   売上  2,100
運賃   420
A店計__________________________2,520

no=11については、
10/08 売掛金 5,670  売 上  5,250 (250)
甲社        未払金  420

no=21については、
10/15 売掛金 2,520  売 上  2,100 (100)
甲社        未払金  420

そして入金時には、入金伝票入力後
11/30 預 金 7,770  売掛金 8,190
振込料 420   甲社     という仕訳で会計に連動する。

運送会社支払時には、振替伝票入力で下記のように会計システムで入力する。
10/31 運 賃  840   預 金 8,190
未払金  840

システムを修正する場合は、顧客の要望を充たし、かつ、最小限のリスクでコストセーブしなければいけない。
他のシステムと連携している場合は、その影響も把握しておく。
例えば会計連動している時は、最終仕訳データとして正しく流れるか検証しておくことが肝要である。

販売管理システム「ふくろう販売」のカスタマイズ・ポイントは、
① 得意先の本店・各店で親子集約できるようにコード変更・各店追加および親子設定
② 得意先登録で伝票毎外税計算から伝票毎内税計算に設定変更
③ 伝区登録で売上諸経費を運賃名称変更と仕訳を売掛金/未払金に設定変更 とシステム設定やマスター登録で完了。

また、プログラム変更は、
① 3種類のOCR指定伝票印刷
② 請求書を伝票毎計から伝票毎伝区毎計に修正 と少ないリスクで修正可能であった。

ユーザのメリットは、
① 手書き指定伝票の廃止 ・・・ 6人日減/月
② 各店請求書作成の廃止 ・・・ 2人日減/月
③ 手書き指定伝票代節約 ・・・ 1万円/月
と数値で現せる以外に、ベテラン女性でなくてもできるようになった、転記・計算ミス防止で安心、得意先に好印象等、改善効果はこれからじわじわ出てくるだろう。
次のステップの改善はオンライン・データで引き渡すようにすること。 まさにシステムは生き物である。

 

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