繰越処理と決算日変更

会計システムでは決算日・決算期(自年月日~至年月日)の概念が必須であり、期末繰越処理が必要である。
繰越後は、決算日から確定申告書提出迄の間は前期と今期を切り換えて処理する。
しかし、販売管理システム上では、年間売上等の分析資料で年度を使用する以外は特に意識する必要はない。
締切処理として重要なのは請求や支払締切である。
市販の販売管理ソフトでも繰越処理は無いのが多い。
例えば「弥生販売」では[ツール]-[データ管理]で年度追加ボタンをクリックして新年度が入力できるようになる機能はあるが、繰越処理はない。
しかし、「商蔵奉行」では[随時処理]-[翌年度更新処理]で新会計期間のデータ作成と同時に新会計期間以前2期前のデータを消去する。
すなわち2期分のデータのみ保持している。

「弥生販売」ではデータ管理に表示されている会計期間内なら任意の伝票日付を入力できる。
「商蔵奉行」は、最終会計期間の期末日迄の伝票日付が入力できる。
2年前の期首日以前の伝票日付で入力できるが、各種帳票の集計期間がデータ保持している2年間しか指定できないので、出力できない。
この伝票は得意先登録の請求項目の締切残高に反映されている。 つまり、最終会計期間の直前会計期間の期首残に加算される。

新しくVB.netで作り直した「ふくろう販売」は繰越処理(期首開始処理)を無くした。
データは導入時から永遠に保持(削除することも可能)している。
伝票日付により今迄の会計期間のどれに該当するか(下図の①及び②)、または新会計期間を自動作成する(下図の③)かどうか判定している。
もちろん入力制限期間を設定して誤入力防止はできる。
以前の「ふくろう販売」の期首開始処理を自動化した。 決算日変更することなく、新年度の伝票入力するのが通常だからである。

決算日が変更になった場合はどうするか。
新年度の伝票入力前に[システム管理]-[会社登録]-[販売年度情報]で追加ボタンをクリックして変更後の決算日を入力すると
新年度ファイルが作成される(下図の④)。
新年度の伝票入力時に決算日変更後の新会計年度データとして認識される(下図の⑤)。 以後の伝票入力では、新決算日で自動繰越処理される。
④の新年度ファイル追加し忘れ⑤の伝票入力してしまった場合はどうするか。
自動的に④は2010/3/31決算期で処理され、⑤は当該事業年度のデータとして認識される。
この場合は、決算期変更処理で2010/3/31→2009/12/20とすると、新年度で入力したデータも変更されてそのまま続行可能となる。

運用のサンプル画面はこのようになる。

殆どの市販の販売管理ソフトでは会計期間の変更を行うことができないので、データ新規作成でファイルを作成しなおさなければいけない。

繰越処理は年に1度、決算日変更はレア・ケース。
「新ふくろう販売」は、ユーザが意識することなく繰越処理が自動で処理され、決算日変更の例外処理にも対応できるように、
かゆいところに手が届くシステムに進化した。

 

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