税務調査

一昨日、昨日と顧問先で、かつ、販売・会計・給与業務システムを導入しているK印刷の税務調査があった。
10時にH税務署から2名やってきて、しばらく雑談後、会社・商品案内と組織図をみせて欲しいと切り出した。
K印刷は大阪本店・東京出張所以外にグループ会社が3社あり、組織図をみながらどの会社に所属か、出向か等の質問からグループ間の業務流れを把握しようとしているようである。
ある程度署内で大きな疑問点を3つ程下調べして、仮説の検証をしている様子がよくわかる。
全体から俯瞰して業務の流れを掴み、大きな課題をみつけようとする点は、システム要件ヒヤリングの進め方とよく似ている。
1日目の午後からは社長不在の応接室にPC持ち込みLANでつないでサーバの会計データみながらの調査となった。
会計ソフトをインストール後、ネット接続に手こずったが会社の技術者と連絡とりながら昼休み中に間に合った。
本来は元帳出力して請求書等の証憑類と突合せ作業をするのだが、膨大な紙の資料を前に電子帳簿で作業の方が場所的にも効率的にもかえって良かった。
2日目は会議室に移動し、細かい突合せ調査となった。
特別償却の機械取得価額の証憑確認、自己株の評価プロセス資料確認、グループ会社間の取引突合確認等など、システム納品前の総合テストのように整合性のチェックをいろいろな角度から調査していた。
税務調査も、ヒヤリング~結合テストとシステム導入作業と似ている部分もあるが、システム化が「何がしたいか」という観点から質問や提案行動に対して、税務調査は「何をしたか」という観点から裏付けをとっていく行動のようである。
若い方の調査官は、大企業の自社開発の会計ソフトはあるが、この市販会計ソフトを触るのは初めてというわりには、さすが、あまり操作を聞くこともなく使いこなしていた。
しかし販売管理システムと会計システムとの関連や、受発注業務とシステムのイン・アウト回りは得手ではなさそうである。
電子申告普及に音頭をとる税務署員は、今後、ITと業務に強くなくては企業訪問して調査は難しくなるだろう。

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