労務管理の基礎知識について 受講感想

本日、近畿税理士会主催による「労務管理の基礎知識について」プロフェッシヨナルセミナーに受講した。
岡崎弁護士による講師で3時間の講演である。
基礎知識を 1.解雇 2.懲戒処分 3.残業問題 4.組合対応 5.労働審判に分けてレジメによる説明があった。

1.解雇については、「解雇権乱用法理」があるので、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の乱用として無効になる。
また「相当性の原則」で、解雇をもってのぞむことはいささか過酷にすぎ、必ずしも社会性に相当なものとして是認することはできない」(高知放送事件)等の判例から、
企業のリスクが大きいので、労働者保護のため協議・回避努力・追い込まない等の、できれば事前に円満退職の方途を探る企業努力が大切であると。

2.懲戒処分については、まず会社は強い立場にあるから労働法や裁判所・行政は弱者である労働者を保護しようとしている事に言及。
サッカーのレフリーに例えて、口頭注意→イエローカード→レッドカードという警告の手段は企業における懲戒の手段と同様、相当性・平等性を備えたものであるべきで、
いきなりレッドカードは懲戒権の乱用として多くの無効例があるという。

3.残業問題については、司法書士が不動産登記から過払い利息、最近は未払残業に仕事をシフトしている状況で益々厳しくなる。
未払賃金の一括払い(最低2年分)という隠れ負債を抱えるのみならず、違法企業・従業員に厳しい企業という悪いレッテルが貼られ信用が毀損する。

4.組合対応については、中小企業にも1人で加盟できるユニオンが介入することが増え、介入後は我慢して付き合うことが必要となる。
少なくとも「不当労働行為」といわれないためには「誠実交渉義務」について十分な理解が必要と述べられた。
誠実交渉義務とは、「誠実に対応することを通じて、合意達成の可能性を模索する義務」であるから模索が必要である。

5.労働審判については、3回で無理なら打ち切り訴訟へ移行で、短時間で多大な労力、負けてしまう可能性大で弁護士が不可欠。

まとめとして、現在日本では旧来の「ムラ型社会」から個人や企業の権利主張、自由な活動を当然とする近代的な社会へとますます変化している。
旧来の古い頭のままの社長は、その存在自体がリスクであると述べていた。

講演を聞いた感想では、
会社社長は「働かせてやってる」というのではなく、「働いてもらっている」というスタンスが大事であると思う。
そこで社員も「働いてやってる」というのではなく、「働かせてもらっている」という気持ちになり、モチベーションも上がる。

また、会社と社員との労働法的な話であったが、
会社を国税局、社員を中小企業と置換して考えると以前のブログ「国税不服審判書 審査請求」を思い出し、
「相当性の原則」「誠実交渉義務」の話を聞いている内に、旧来の古い頭のままの社長イメージと当局が重なって浮かんできた。

 

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