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2010年08月17日(火)14時31分

販売管理システムで前受金管理

通常の販売管理の流れでは、見積→受注→納品→請求→入金となるが、見積→受注→請求→(前受)入金→納品という場合もある。
与信管理の面で先に入金してから納品という場合や、長期工事のように引き渡し迄、期間が長い場合の中間金的なケース等である。
前受金と納品の期間が短い場合は、売掛金の入金先行で△売掛金残となっても、納品売上で売掛金増となり差し引きされるから特に問題ないし、期中はそのままにして決算期をまたがる場合のみ△売掛金は前受金に振替たらよい。
前受金の期間が長かったり、件数が多かったり、金額も不一致で、掛売りや前受金売りが混在する場合はシステム化する必要がある。
また、前受金の請求書をシステムから出力する方が内部統制上好ましい。
「ふくろう販売」の場合は、売上未計上で入力し、納品請求書で前受金の請求をする。
入金確認後の納品時に、その伝票を売上計上、日付変更でOKである。

お金の入金管理は経理がしているが、売上は営業がしているといった場合、売上入力で前受金に充当する売上とか掛売りに該当する等の区別はできない。
売上は通常どおり営業で全て掛売りで処理し、一部入金時に経理が前受金を含めて個別入金消し込みするとか、前受金残高と売掛残高を参照して月末に振り替えるとかの処理をしたら簡単である。

Windows 7(64bit)で稼働する販売管理ソフト「ふくろう販売」は前受金管理及びその逆の前渡金(前払金)管理が標準で実装されている。
しかも、市販会計(弥生会計・勘定奉行i・勘定奉行21)赤黒連動で繋がる。

よくある3つのパターンを具体例で説明すると、

1.前受売上 例 [前受金と売上金額が対応する場合]
 ①7/10 前請求 1,050,000円
   仕訳なし
 ②7/30 前受金 1,050,000円
   当座預金 1,050,000/前受金 1,050,000
 ③8/16 前受売上 1,050,000円
   前受金 1,050,000/売 上 1,050,000 (税 50,000)

前受売上例の画面サンプルはこのようになる。

2.残額入金 例 [前受金残を差し引き入金された場合]
  以下、前請求は省略
 ①7/20 前受金  470,000円
   普通預金 470,000/前受金 470,000
 ②8/12 掛売上 1,470,000円
   売掛金 1,470,000/売 上 1,470,000 (税 70,000)
 ③9/10 入 金 1,000,000円
   受取手形 1,000,000/売掛金 1,000,000
 ④9/30 前振替  470,000円
   前受金 470,000/売掛金 470,000

残額入金例の画面サンプルはこのようになる。

3.前受金振替 例 [前受金残と売掛金残を相殺する場合]
 ①7/31 前受金  945,000円
   普通預金 945,000/前受金 945,000
 ②8/13 掛売上  840,000円
   売掛金 840,000/売 上 840,000 (税 40,000)
 ③8/31 前振替  840,000円
   前受金 840,000/売掛金 840,000

前受金振替例の画面サンプルはこのようになる。

2010年07月07日(水)17時17分

都度請求得意先の入金処理

殆どの得意先は20日締切や末日締切の月1回、その間の掛売伝票を集計して請求書発行、それに基づいて入金処理される。
1ケ月の売上金額合計に基づいて回収条件が異なる場合もある。
例えば、100万円迄は全額振込だが、100万円超えると半額振込で半額手形とか、超えた分のみ手形等、回収種別や金額が変わるので、請求金額が決まらなくては回収予定計算ができない。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」では、月締切の得意先は請求単位で回収予定データ作成し、都度請求得意先は伝票単位で回収予定データを作成している。
(月締切でも伝票単位で回収予定管理したい得意先には得意先登録で回収予定コードの設定で可能)

今回のテーマは、個別入金消込処理時の対象売上伝票をどれにするかという問題である。
月締の得意先は請求書に基づいて入金されるから、最新請求締切日迄の売上伝票で未消込分から今回入金額に達するまでを消し込めばよい。
しかし、都度請求の得意先については、最新売上伝票日付迄の売上伝票で未消し込み分から今回入金額に達するまでを消し込む事になる。
以前、個別入金消し込みの説明を記載したが、ふくろう販売では得意先別入金伝票で入金合計を入力し、その後個別入金消し込み画面に切り替わって売上伝票毎に入金消し込み処理をする。 得意先別入金合計額-個別消込合計額が未消込額として管理される。
したがって、消し込み対象の売上伝票は全て表示されなくてはいけないので、都度請求の得意先については本日(System_date)迄の売上日の売上伝票が対象として初期表示される。
逆に月締切の得意先で最新請求日以降の売上伝票が消し込み対象として表示されたら煩わしいので最新請求日迄の売上日の売上伝票が対象として初期表示されるのである。
(最新請求締切日初期表示だが、取消ボタン押して翌月請求締切日等の入力で本日迄の売上伝票表示可能・・・例えば消費税の調整を請求後に翌月でした場合、その消費税も含めて翌月入金時に消し込みしたい等)

都度請求得意先の入金処理、実際の画面サンプルはこのようになる。

OBCの商奉行iの場合は最初に回収予定確定基準を請求書単位か伝票単位に回収予定データ作成するか設定する。

回収予定データの消し込みは回収予定基準(消し込みと同時に入金伝票作成)と入金伝票基準(入金伝票から消し込みをする)とあるが、入金伝票基準の画面サンプルは下記のとおり。
伝票単位に設定していると、都度請求の得意先は納品請求書発行後入金入力→回収消込となる。

請求書単位に設定していると、都度請求の得意先は請求書発行後入金入力→回収消込となる。

2010年06月30日(水)18時10分

伝票複写で別得意先売上伝票作成

同じような得意先や商品等の登録を何件もする時、複写機能があれば便利である。
同様に見積書や売上伝票等も複写機能があれば入力の手間と誤りを減少させることができる。

販売管理ソフトの「ふくろう販売」は以前から上記機能はあったが、今回少し改善して得意先の変更も可能にした。
「ふくろう販売」では、売上入力時、得意先をまずおさえて伝票毎税計算/請求時一括税計算等の税処理や現金売り/掛売り等の伝区表示を決めている。
したがって得意先コードを誤って入力した場合は削除して正しい得意先で再入力しなければいけなかったが、この複写機能の改善で使いやすくなった。
具体的には、元の売上伝票を修正で呼び出し、複写ボタンをクリック、伝票複写設定画面で得意先変更して更新すると新得意先で売上伝票作成される。
さらに「複写元の伝票を削除しますか?」と訊いてくるので「はい」を選択すると新得意先に置換された事と同様になる。 但し、伝票noは異なる連番が付けられる。

逆に雛型として売上パターン伝票登録しておき、それを複写元にして実際の得意先で売上伝票作成し、「複写元の伝票を削除しますか?」で「いいえ」としたらテンプレート的に入力できる。

伝票複写(得意先変更)、実際の画面サンプルはこのようになる。

ユーザにとって便利になる事が進化、「ふくろう販売」は進化し続ける。

2010年05月07日(金)17時30分

与信限度管理

アップロードファイル 98-1.xls

↑【098-1 与信限度管理】:売上・仕入・手形データによる与信限度管理の推移具体例とシミュレーション

信用取引においては回収不能額、すなわち貸倒れのリスクは逃れられない。
得意先別に売掛債券(売掛金残+受取手形残)の回収を確実にし、かつ、信用限度額を設定して受注(売上)時に与信限度内かどうかのチェックをしていく事は経営管理システムとして重要である。

販売管理システム「ふくろう販売」では日々のデータの伝票日付と与信限度設定日により動的な与信管理を標準で実装した。

まず得意先の与信限度額を設定して登録するのだが、常備枠と臨時枠それぞれに終了年月日と与信限度額を登録する。

売上入力都度即時更新で、売掛金増となり与信限度チェックをする。
また、手形入金の場合は手形期日迄は未落手形として売掛金は減少するが受取手形債権が増えて売掛債権は変わらない。
さらに同じ得意先で仕入もしている場合、すなわち相殺関係にある取引先の場合は、買掛債務(買掛金残+支払手形残)を売掛債権から控除した純売掛債権で与信限度チェックをしなければいけない。

また、親子関係にある取引先の場合は集計して管理する。
例えば、各支店別に売上計上するが本社で一括入金の場合、各支店の得意先または本社得意先で受注(売上)入力時に親子グループ合計で与信限度オーバしてないかチェックする必要がある。

与信チェックのタイミングも売上時なら遅いので、見積や受注入力でもできるようにしなくてはいけない。

与信管理のレベルもユーザによって設定できる。
与信限度オーバは、警告メッセージ表示後、続行/中止選択できるようにするか、エラーとして更新できなくするか、チェックなしにするか運用設定登録で選択できる。

以上のような与信管理をシステム化するには見積・受注・売上・入金・発注・仕入・支払業務が連携していなくてはできない。
下記にサンプル画面を掲載した。

一連の画面遷移イメージはこのようになる。

以前から売掛金の与信管理は実装していたが、今回某上場会社の要望で精度の高い与信管理を、中小企業にも使い易くバージョンアップした。
お客様のニーズは有り難く、バージョンアップを通じて次のお客様に還元できるのもパッケージ・ビジネスのよい点である。

2010年04月26日(月)17時29分

請求先と得意先 親子集約

販売管理システムでは顧客を請求先・得意先・納入先、業者を支払先・仕入先・直送先と区別する。
得意先の本社と支社を別々の得意先として登録し売上を行うが、請求は本社に対して行う場合、請求先・本社=親、支社=子となる。

[データベース概念図]

販売管理システム「ふくろう販売」では、得意先(仕入先)から請求先(支払先)を集約して処理することができる。
(以降、集約先を「親」、親以外の同じ集約先の得意先(仕入先)を「子」と呼ぶ。)
この場合、子の集約得意先コードには親の得意先コードを登録する。

[帳票出力概念図]

残高一覧表などいくつかの帳票では親子集約出力(親子で金額を合算して表示)機能がある。
伝票はわけたいが、売掛残や請求書、請求一覧などは合算したい場合は有効に活用できる。
集約出力できるものとしては、
得意先⇒請求一覧表、請求書、回収予定表、回収状況一覧表、売掛残高一覧表、合計集計表。
仕入先⇒支払一覧表、買掛残高一覧表等がある。

一連の画面遷移イメージはこのようになる。

親子集約している時に会計ソフトに伝票毎転記で自動仕訳する時が問題残る。
例えば、上記の画面サンプルで本社の売上5,250,000円、大阪支店の売上1,365,000円、東京支店の売上1,260,000円の場合、
 ①売掛金[本社] 5,250,000 / 売上 7,875,000
 ②売掛金[大阪] 1,365,000
 ③売掛金[東京] 1,260,000
という売上伝票からの仕訳に対し入金は、
 受取手形  7,875,000 / 売掛金[本社] 7,875,000 となる(前月残高5,000,000は除外している)

会計ソフト上の補助残高一覧表または取引先残高一覧表では売掛金[大阪] の残高が1,365,000円、売掛金[東京]の残高が 1,260,000となり、
売掛金[本社]の残高が5,250,000-7,875,000=△2,625,000円となる。

解決策としては、
【A案】:
 ①売掛金[本社] 5,250,000 / 売上 7,875,000
 ②売掛金[本社] 1,365,000
 ③売掛金[本社] 1,260,000
と仕訳し、②の振替伝票備考に大阪、③の備考に東京と入れるか、
【B案】:
 ④売掛金[本社] 2,625,000 / 売掛金[大阪] 1,365,000
  ________________________________________売掛金[東京] 1,260,000
となるように、販売管理側で売掛金振替処理をするかである。
A案の方がシステム的には容易である。

取引先別合計転記の場合も同様であるが、日別転記や合計転記の場合は上記のような問題は起こらない。
また、売掛残高一覧表から1ケ月の合計を振替伝票起票して会計ソフトに手入力している場合は問題ない。

2010年04月23日(金)18時11分

クロス集計表

販売管理のデータを分析するのに、マトリックスで縦横の交差する金額を比較したり、合計を比較するとわかりやすい。
例えば、縦軸に得意先、横軸に商品で売上金額のクロス集計表を作成すると、得意先別商品別売上集計表をテーブル形式で見る事ができる。
【合計集計表】:
 得意先___商品____売上金額__
  A_____甲商品_____10,000___
  _______乙商品_____20,000___
  _______合___計_____30,000___
  B_____甲商品_____15,000___
  _______丙商品_____25,000___
  _______合___計_____40,000___
  _______総合計_____70,000___

【クロス集計表】:
  得意先__甲商品___乙商品___丙商品___合__計__
   A______10,000____20,000__________0____30,000__
   B______15,000___________0___25,000____40,000__
  合計____25,000____20,000___25,000____70,000__

販売管理システム「ふくろう販売」では、各種データからEXCELにエクスポートし、EXCEL上のピボットテーブルで自由にクロス集計表を作成できるようになっている。
少し手間がかかるが自由度は高い。

ピボットテーブルのサンプル画面イメージはこのようになる。

EXCELのPivotTable機能で、ドラッグ&ドロップしながら項目をコピーするのは何でもないように思うが、やはりハードルが高く感じるユーザもいる。
そんなユーザにも使い勝手が良いように、予め集計に必要であろう項目を用意して自由に合計集計表やクロス集計表ができるようなプログラムを組み込んだ。

合計集計表のサンプル画面イメージはこのようになる。

どちらかというと前者はシステム担当者向き、後者は管理者向きの分析資料だが、どちらもよく使うパターンを任意の名称つけて登録しておけば毎回設定しなおしする必要なく、呼び出して出力できる。
大事なのは有益な資料から経営判断することなので、作成手順が簡単な方がよい。
使いこなしてもらって、その会社が成長してくれたら本望である。

2010年04月14日(水)16時37分

金型等の販売管理上の扱い

金型等の最初のイニシャルコストを一定の数量まで、製品販売単価に上乗せして支払い、一定の数量超えると正規の販売単価に戻すという条件で取引する場合がある。
得意先にとっては金型代を一時に支払わなくてよい。
一定の数量まで販売しないまま、途中生産中止のリスクは仕入先が持つが残金精算してもらえるかどうかは交渉次第である。
何年間の売上数量累計を商品別に管理して償却予定売上数量を超えたら通常の販売単価に戻さなければいけないが、人手で管理するには煩わしい。
償却予定数量管理する商品が1~2点ならまだよいが、多数になるとオーバー気付かずに上乗せした単価で販売してしまうことになりかねない。

【概念図】:

そこで、システム上で償却予定数量管理を各商品別にできるようにしたいという要望があったので販売管理システム「ふくろう販売」に標準機能として実装した。

一連の画面遷移イメージはこのようになる。

納入先と部品メーカのどちらが金型所有するかによって会計処理も異なる。
上記の例は部品メーカ所有だが、自社の固定資産となり減価償却をしていく。
金型を使って部品を何回製造できるか見積ショット数まで金型使用料を上乗せするなら、その上乗せ分を減価償却とするのが合理的だが定額法や定率法で償却してもよい。
また、納品の都度、金型上乗せ分も含めた金額が売上計上される。

2010年04月07日(水)14時47分

販売管理システム上の振込料の処理2

2009年8月19日のブログに振込手数料の事を書いた。
買掛金の振込支払で振込料が当方負担の場合、振込料は会計伝票で入力してもらうよう回答していた。
買掛金支払振込料が、先方負担は販売管理だけ、当方負担は販売管理と会計ではややこしい。
販売管理だけで完結できないかという要望で販売管理パッケージソフト「ふくろう販売」の振込料ルールを決めて修正した。

1.買掛金(10万円)支払時の振込手数料(630円)
 1.1 先方負担
    買掛金 100,000 / 預金 100,000
 1.2 当方負担
    買掛金 100,630 / 預金 100,630
    振込料    630 /  買掛金  630

2.売掛金(10万円)入金時の振込手数料(630円)
 2.1 先方負担
    預金  100,000 / 売掛金 100,000
 2.2 当方負担
    預金   99,370 / 売掛金 100,000
    振込料    630

上記の1.2の場合、支払入力では、
 [ 振込払 100,630 ]
 [ 振込料  △630 ] の2行入力し、買掛台帳にも100,630と△630の2行出力される。
100,630と△630の合計100,000円の買掛金消し込みになり、買掛残高一覧表は集計金額でよいが、買掛台帳等の取引明細には振込料含んだ金額と△振込料の2行出力されるので注意。
会計ソフトに自動仕訳転記した時には上記1.2の仕訳が作成され、買掛金元帳は借方100,630と貸方630の2行出力される。
預金出納帳は、実際に引き落とされた10,630円が出力される。

なお先方負担の場合は1.1のように振込料込みの金額で支払入力する。
 [ 振込払 100,000 ]
会計ソフトに自動仕訳転記した時には上記1.1の仕訳が作成され、買掛金元帳は借方100,000が出力される。
前回のように99,370と630 (摘要に「振込料」印字) はできなくなるが、こちらの方法を標準とするようにした。

一連の画面遷移イメージはこのようになる。

今回は勘定奉行iと仕訳連動の画面サンプルを掲載した。

2010年03月21日(日)16時48分

単価履歴

得意先からの受注や売上入力時にその商品について過去の単価を参考にして入力したい時がある。
また前と同じ単価で注文や、他の得意先に同一商品はいくらで販売しているか参照したい場合もある。
見積時はいくらで受注時にいくらにしたか等、過去の単価履歴が参照できたら便利である。
受注・売上に限らず発注・仕入も同様である。
昨今のようにデフレ傾向にある時は、少しでも安い業者、前回よりコストダウンできないか、過去の発注・仕入単価を参考にするようなケースもあるだろう。
市販の販売管理ソフトは単価履歴を入力中に参照できる機能はおおむね実装されている。
パッケージソフトにより少しずつ機能は異なり、オプションでカバーしているソフトもあるが、下記のサンプルのように単価の項目で単価履歴を参照できる。

販売管理パッケージ「弥生販売10」の単価履歴照会。

販売管理パッケージ「商蔵奉行i」の単価履歴照会。

カスタマイズ可能な販売管理システム「ふくろう販売」では、入力中の得意先・商品の単価履歴だけでなく全得意先で参照したり、見積/受注/売上単価を選択することもできる。
サンプル画面を下記に記載する。

販売管理パッケージ「ふくろう販売」の単価履歴照会。

2010年01月15日(金)11時31分

回収状況一覧表

今回は回収管理の最後、回収実績管理について記述する。

売掛金が約束通り支払期日に返済されず、未入金のままで残っているものを、滞留債権と言う。
この滞留債権をほおっておくと不良債権につながり、最悪の場合、相手企業が倒産して、回収不能、仮に入金してもほんのわずかの配当しか受け取れなかったりすることになる。
売掛金の残高履歴をみて滞留債権につながるものはないか、約束期日に入金しているか、支払い延期されたものはないか等チェックしていくことが大切である。

通常企業は一定の締切日に請求書発行して回収予定日に振込・手形等で入金を確認し、売掛金の消し込みを行なう。
そこで当月回収予定と回収実績を比較して未回収額があれば調査して督促できるものは督促して早期回収を図る。
一部入金ならどの売上伝票が未入金なのか調査して原因究明する。

請求締切から入金までタイムラグがあるので、その間も売上計上して債権は増加している。
月別回収予定でどれぐらい先行債権があるか把握できる。

入金遅れが頻繁なら現場の状況確認も必要になる。
長期なら場合によっては受注ストップも考慮しなければいけない。
月別滞留額でどれぐらいの遅れになっているか確認できる。

販売管理システム「ふくろう販売」では回収状況一覧表が標準で実装されている。

下記をクリックするとサンプル画面に切り替わる。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」の回収状況一覧表の仕組み。

2010年01月08日(金)17時58分

個別入金消込、個別支払消込

前回は入金処理の特別なケースである「相殺」の場合を記述、今回は入金伝票からさらに伝票単位あるいは明細単位で売上伝票を入金消し込みする「個別入金消込」について説明する。
通常請求回収業務では、20日とか末日に1ケ月分の売上伝票を締め切り、請求書を発行して得意先との約束した回収予定日に入金がある。
厳しい経済状況の中では、回収管理をきめ細かくしないといざという時にはリスクが大きくなる。
請求金額どおりに入金されていたら問題ないが、少なかったらどの売上伝票が未入金か、どの売上伝票のどの商品が未入金なのか調べなくてはいけない。
まだ請求すべきではなかったか、返品されていたものか、単なるミスか担当者または得意先に問い合わせるにも特定できた方がよい。
多い場合は前受金かもしれないので、翌月以降請求分で対応付けする。
個別入金消込とは、得意先毎の入金額を売上伝票(明細)毎に入金消し込みをして一致させる作業である。
販売管理パッケージの「ふくろう販売」では、個別入金消込や個別支払消込を標準実装、かつ、運用設定でするかしないか選択できる。
入金消し込みを伝票単位・明細単位だけでなく、明細の分割消し込みも可能である。
入金額>消込額の場合は繰越未消込額となり、入金額<消込額の場合は△繰越未消込額として次回個別入金消込時の未消込残高に表示される。
また、売掛台帳で未入金/一部入金/全額入金を抜粋して売上伝票を出力することができる。
入金リストで未消込一覧画面から入金伝票・個別入金消込画面を確認することも可能である。

下記をクリックするとサンプル画面に切り替わる。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」の個別入金消込の仕組み。

市販の販売管理ソフトで個別入金消込は伝票単位までが殆どである。

弥生販売10 ネットワーク版の回収消込は売上伝票単位で、明細単位で消し込む場合は得意先元帳でチェックする。 
明細分割消込はできないが、操作はシンプルで中小零細企業にとって使い勝手はよい。

「弥生販売ネットワーク」の個別入金消込の仕組み。

最近発売されたOBCの「商奉行i」も回収消込機能は充実したが、売上伝票単位で明細や明細分割消込までするなら、
入金(支払)消込オプション[LanPack各90万円、スタンドアロン各30万円]が必要である。

OBC「商奉行i」の個別入金消込の仕組み。

2010年01月05日(火)12時15分

相殺入金および相殺支払

前回は回収予定表について説明、今回は相殺入金/支払について説明する。
相殺(そうさい)とは、相手に対して同種の債権をもっている場合に、双方の債務を対当額だけ消滅させることをいう。
取引先A社に対して得意先にも仕入先にもなるという関係の場合に起こる。
例えば
(1) A社に100万円の売掛金があり、かつ、60万円の買掛金がある場合、60万円を相殺して40万円の振込入金してもらうという例の仕訳は、
 [振込料先方負担]
  買掛金   600,000 / 売掛金 1,000,000
  当座預金  400,000 /
 [振込料当方負担]
  買掛金   600,000 / 売掛金 1,000,000
  当座預金  399,580 /
  支払手数料   420 /
となる。
(2) 売掛金と買掛金の金額が逆の場合は、
 [振込料先方負担]
  買掛金   1,000,000 / 売掛金  600,000
  _____________________________ / 当座預金 400,000 
 [振込料当方負担]
  買掛金   1,000,000 / 売掛金  600,000
  _____________________________ / 当座預金 400,000 
  支払手数料   420  / 当座預金  420 
となる。

相殺の場合、販売管理システム上は売掛金と買掛金の両方の消し込みをしなければいけない。
すなわち、入金入力と支払入力をしなければいけないが、入力忘れや間違いが生じないように片方の入力で済めばベストである。
上記(1)の場合は、入金入力で相殺600,000、振込400,000(または振込399,580、振込料420)と入力したら、
支払入力で相殺600,000が省略あるいは自動で画面開いて確認後更新できたらよい。
上記(2)の場合は、支払入力で相殺600,000、振込400,000(当方負担の振込料は会計で入力)と入力したら、
入金入力で相殺600,000が省略あるいは自動で画面開いて確認後更新できたらよい。

会計と連動している場合注意しなくてはいけないのが、二重仕訳の問題である。
販売管理では売掛金と買掛金の消し込みのため入金データと支払データを生成させるが、入金相殺と支払相殺が仕訳データとして流れると買掛金/売掛金がだぶってしまう。
販売管理ソフトの「ふくろう販売」では、伝区マスターで支払相殺を自動仕訳なしに設定しておくことで、二重計上防止になる。

仕訳科目設定→得意先・仕入先登録→相殺入力→個別入金・支払消込→売掛・買掛台帳→勘定奉行i仕訳連動の一連の流れをまとめてみた。
上記(2)のケースだが、(1)も入金入力が先行するだけで同じような処理になる。

下記をクリックするとサンプル画面に切り替わる。(得意先名と仕入先名を同じ名称にすると紛らわしいので敢えて変えた)
販売管理パッケージ「ふくろう販売」の入金及び支払相殺入力の仕組み。

市販ソフトで同時相殺の機能はないが、相殺伝票の二重転記は考慮している。
弥生販売では、買掛金/売掛金の仕訳でなく、売上値引高/売掛金と買掛金/仕入値引高で処理している。
商蔵奉行iでは買掛金/売掛金で転記されるが、ふくろう販売と同様に支払相殺は仕訳対象としないように初期設定されている。

参考までに、弥生販売→弥生会計のサンプル画面と商蔵奉行i→勘定奉行iのサンプル画面も掲載した。

「弥生販売」の入金及び支払相殺入力の仕組み。

「商蔵奉行i」の入金及び支払相殺入力の仕組み。

2009年12月29日(火)21時20分

販売管理システムの回収予定管理

回収予定表、相殺入金/支払、個別入金/支払消込、回収状況一覧表、市販会計連動の一連のシステムを回収管理シリーズで記述予定である。
今回は回収予定表について。

販売活動では、売上→請求→入金の流れでキャッシュが入る。
通常、売上時の納品書をまとめて20日とか末日に請求書を発行する。
当月請求期間の売上合計がいつ現金化するか把握しておかないと資金繰りができない。
得意先との決済条件により翌月末日に振込入金になったり、翌々月20日に手形入金になったりする。
決済条件も一定額以内は全額振込だが、それを超えると全額または超えた金額が半分振込、半分手形とか、
さらに○○万円超えると1ケ月入金延長というように流動的な場合もある。
得意先の件数が増え、回収条件も様々であるとシステム化しないと事務作業が煩雑になる。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」では、回収・支払方法マスターで様々な決済条件を登録し、
得意先(仕入先)登録で回収・支払方法コードを選択するようになっている。
請求締切処理で得意先毎の回収方法で請求金額を分割し、回収予定データを作成する。
都度請求の得意先は、売上入力時に即時更新で回収予定データを作成する。
こうすることにより極め細やかな回収予定管理が簡単にできる。

下記をクリックするとサンプル画面に切り替わる。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」の回収予定表の仕組み。

弥生販売では1得意(仕入)先に対してひとつの回収方法で回収予定管理され、
商蔵奉行iでは得意(仕入)先に対してふたつの回収方法を直接登録して回収予定管理する。
参考までに、下記にサンプル画面を掲載する。

弥生販売の回収予定表の仕組み。

商蔵奉行iの回収予定表の仕組み。

2009年11月19日(木)18時15分

移動平均原価法の一括再計算

売上原価計算における移動平均法とは、(倉庫)商品別に、仕入の都度、仕入金額と仕入数量から平均単価を算出し、売上時の原価単価とする方法である。
ということは、日付・時刻順に計算していったらその時点の売上入力時に正しく売上原単価が計算され、売上原単価×売上数量で売上原価金額が計算される。
しかし、販売管理システムを導入したての頃等に、納品書作成は急ぐので先行して売上入力をし、仕入入力や開始残高は後から追っかけて入力する場合も少なくない。
売上原価計算法を標準原価にしている時は、商品登録で設定した標準単価で原価計算するからよいが、移動平均法や最終仕入法で計算している時は正しい売上原価がセットされず、売上分析表でみると粗利がおかしくなる。

【具体例】
  ①→②→③→④の順に入力した場合。
          数量 売上 原価金額  正しい原価金額
  ④開始残高_______10_________0___1,000___________________
  ①10/ 1売上______ 5_____1,500______0______→_____500
  ③10/ 2仕入______15_____1,800______0____________________
  ②10/ 3売上______10_____3,000______0______→___1,150

  ④→①→③→②の順に入力していたら①の原価金額は(1,000/10)×5=500
  ②の原価単価は(1,000-500+1,800)/(10-5+15)=115、原価金額は115×10=1,150となる。

開始残高登録や仕入入力が追いついた時点で、過去の売上入力を修正で呼び出したら自動的に売上原価計算されますが、すでに何百枚も売上入力済なら大変な手間である。
そこで、販売管理システム「ふくろう販売」では、システム管理メニュの中に「移動平均原価再計算」プログラムを組み込み、上記の①~④の順に売上原価を一括で洗替え計算するようにした。

下記をクリックするとサンプル画面に切り替わる。
鋼材業向け販売管理パッケージ「ふくろう販売」の移動平均原価再計算は、このようになる。

VB.netで開発した販売管理パッケージ「ふくろう販売ver2」の移動平均原価再計算は、このようになる。

システム化したので、今回のような導入初期だけでなく棚卸時にも利用できる。
3/末決算で棚卸作業をその日にしたが、月初忙しく棚卸入力が4/10になってしまったというような場合。
4/1~4/10の売上入力の売上原価は棚卸数量・金額が反映されない原価計算となってしまう。
導入時のように大きく狂わないが、棚卸入力が完了した時点で移動平均原価再計算をしたら正しく売上原価計算される。

都度移動平均原価計算と一括移動平均原価計算の違いは、同一商品が同一日に売上及び仕入計上された場合に若干の差異が生じる。
例えば前日の在庫数量=10個、在庫金額=1,000円で、翌日の10時に5個売上、13時に8個1,450円で仕入、15時に7個売上の場合、
前者は10時売上時の売上原価は、1,000円÷10個×5個=500円、15時売上時の売上原価は、(1,000円-500円+1,450円)÷(10個-5個+8個)×7個=1,050円となる。
しかし後者は一旦前日の移動平均原単価(1,000円÷10個=100円)を翌日の10時と15時の売上原価計算に使用するので、それぞれ100円×5個=500円、100円×7個=700円となる。
15時の売上の原価が、1,050円-700円=350円少なくなるが、翌翌日以降の売上原価計算にしわ寄せされるので、大勢に影響はない。
売上入力時の売上原価計算は、巧緻よりも拙速を優先させるものだからである。

2009年08月19日(水)19時35分

販売管理システム上の振込手数料の処理

「ふくろう販売」と弥生会計と連動処理している某顧客から、買掛金支払の振込料が預金出納帳で一目瞭然にわかるようにして欲しいという要望があった。
買掛金支払の場合、振込手数料は殆ど先方負担が多い。
例えば10万円の買掛金残高があり、それを支払う場合は振込料が630円としたら、相手先には10万円-630円=99,370円が振り込まれ、630円は振込手数料として銀行に支払う。
①買掛金 100,000 / 普通預金 99,370
            /  普通預金  630  となる。
すなわち、当方は10万円の預金減となる。
一方、仕入先の方は売掛金10万円の内、振込手数料630円を差引された99,370円が預金通帳に記載される。
②普通預金 99,370 / 売掛金 100,000
  支払手数料  630 /           となる。

振込手数料が先方負担なら、支払入力で振込支払=100,000と入力したら買掛金の消し込みは充分だが、会計連動で仕訳転記すると、
③買掛金 100,000  普通預金 100,000  となってしまう。
これを①のようにするには、
販売管理の支払入力で振込支払=99,370、振込料=630と2行入力しなければいけない。
そうすると会計の預金出納帳や総勘定元帳で99,370円と630円の2行表示されて振込手数料630円というのが明確になる。
顧客の要望はさらにこの振込手数料630円の備考に「振込料」と印字できるようにして欲しいというものである。

預金出納帳の画面イメージはこのようなものである。

伝票転記で、販売管理データから会計仕訳データ作成時に、仕訳摘要は伝票分類(売上/仕入/入金/支払)毎に選択できるようになっている。
販売データの摘要か、取引先&伝票noか、取引先&伝票no&決済予定日の3つから選択だが、支払なら現金・手形支払や振込支払も振込料伝区も同じ摘要となる。
それを振込料伝区だけ摘要に「振込手数料」等印字して欲しいという事である。
仕訳科目設定で振込料伝区の摘要に任意の文字が入力されていればそれを優先して出力するというふうに改善して納品した。

仕訳科目設定の画面イメージはこのようなものである。

買掛金残高が少ない場合、振込手数料を差引いて振込むのはかわいそうだから当方負担の場合もあると言う。
その場合はどうしたらよいか。
支払入力では全額振込(先の例では10万円)で入力し、会計伝票で
支払手数料 630 / 普通預金 630 と入力してもらうように回答した。
販売管理の支払入力は買掛金の消し込みが主目的なので、経費支払は会計ソフトで入力してもらう。
販売管理から会計には、③と同じ仕訳がとぶようになる。

売掛金入金で振込料先方負担の場合、入金入力で全額振込(先の例では10万円)で入力したらよい。
④普通預金 100,000 / 売掛金 100,000

入金及び支払時の振込料の処理について以下に画面遷移で流れを説明する。

販売管理パッケージ「ふくろう販売」の振込料の説明画面で、入金及び支払時の振込料の具体的な説明をしているので参考にしてください。

2009年07月16日(木)17時32分

フィットギャップ分析

 パッケージソフトウェアを導入する際に、導入企業のシステム要求とパッケージソフトウェアの機能が、どれだけ適合(fit)し、どれだけズレ(gap)があるかを調査・分析・評価しなければならない。
まず、そのパッケージソフトウェアを導入するかどうかの検討をし、パッケージの機能不適合・不足を事前に知ることで、やりたい業務の何%カバーできるか、何か次善策はないか、業務プロセスの変更が可能か、カスタマイズがどの程度になるか見積もるために行われる。
したがって受注前の見積段階で調査分析し、その結果、カスタマイズ提案書・基本設計書として提出している。

今回は「ふくろう販売」導入すると決まった受注後の、打ち合わせ段階でのフィット・アンド・ギャップ分析の話である。

通常は納品時に掛売上、後日入金で売掛金消し込みだが、前受金として先に入金する場合があり、システム化したいという要望が急に上がった。
前受金管理のカスタマイズは他社でもカスタマイズしているので、自信はあるが、結構大がかりな開発工数になる。
といっても受注金額のアップは見込めない。
本当に重要でカスタマイズ必要か、簡易的なカスタマイズで可能か、または運用でカバーできるか、いくつかの質問をいろんな角度からして探ってみた。

以下、応答ダイジェスト
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 Q1 前受入金あるという事は前請求しているのか。
  A1 約定(契約書)あるものは請求なしだが無いものは前請求ある。
 Q2 前請求は手書き or EXCEL等システム外で可能か。
  A2 システム化したい。
  → それなら売上データ入力して請求書発行し、前受振替等のカスタマイズ要。
 Q3 前請求→前受入金→売上入力→請求書の流れとなるが、請求書に前受入金も出力されなければいけない。
   前受入金で 預金 80 / 前受金 80 と処理しても現状では売上入力で 売掛金 100 / 売上 100 となり、
   売掛金で請求管理しているため、請求書は売上=100、入金=0、請求=100となる。
  A3 前受入金の得意先は請求書発行しない。
  → 複数の売上あって前受入金分と通常売上分混在しないなら得意先マスターに請求書不要と設定したらよいが可能か [混在あるので不可]
 Q4 どういう場合の業務で前受金処理しているのか。 (現場女性を呼ぶ)
  A4 廻り手形の入金が前受金処理の殆どで、たまに小口現金取引業者が余分に入金もあるが翌月には前受金残=0となっている。
  → それなら売掛金の入金として販売管理では△売掛金残で請求書にも△請求残、
    翌月には売上金額が加算され同額の場合=0となる運用でよいのではないか。
    △売掛金は会計システムで決算時に 売掛金 / 前受金 の仕訳し、翌月、前受金 / 売掛金 で戻せばよい。
   例:100万の請求残に対して150万の裏書手形入金、翌月(4月)80万の売上
   4月請求書
   前回請求   入金   差引   売上   今回請求
   100万    150万  △50万   80万    30万
   3/末 決算振替伝票
     売掛金 50万 / 前受金 50万
   4/1 期首
     前受金 50万 / 売掛金 50万
 Q5 そもそも前受金管理しなくてはいけないデータの割合は何%か。
  A5 1%あるかどうか
  → コストかけてまでシステム化のメリットないのではないか [前受金やめて売掛金にする]
<=============================================================================================================>

見積オーバのカスタマイズなしで運用でカバーできることになり、思わずほっと胸をなでおろした。
会計知識だけでカスタマイズ要望を聴くと、ギャップ埋める工数軽視で、△売掛金でなく前受金管理しなくてはおかしいとなるし、
IT知識だけでカスタマイズ要望を聴くと、フィットすべきと思いこみ、パズルを解くようにデータベースをこのように持ってこう入力してと考え込んでしまう。
結果、顧客にとっても使いづらい、メンテナンス増大、属人的になり、苦労して作った割に評価が低いシステムとなる。
フィット&ギャップ分析する時は、両方の知識と応用が必要であるが、それとバランス感覚・説明力も大事である。

2009年07月10日(金)18時17分

棚卸入力

前回は商品の三分法について記述した。
三分法では、棚卸をして期末の在庫数量を確定し、それに予め決めた棚卸評価法で求めた在庫単価を乗じて在庫金額を算出する。
棚卸資産の評価方法として、「原価法」には、
①個別法 ②先入先出法 ③後入先出法 ④総平均法 ⑤移動平均法 ⑥単純平均法 ⑦最終仕入原価法 ⑧売価還元法が定められていた。
しかし、平成21年4月1日以後は、後入先出法と単純平均法が除外されることになった。
もともと単純平均法は、数量を考慮せずに単価だけを平均化する評価方法で企業会計原則でも認められていなかったから特に問題はない。
後入先出法はインフレ時には棚卸資産の過小評価となり税法上も有利だったが、国際会計基準と足並みをそろえようという趣旨で除外されるように税法改正があった。
他に、実際の物の流れと一致しない、時価と乖離する、物価上昇期において保有利益がいつまでも実現しない、後入先出法採用企業は少なく影響少ない等の理由がある。
なお、国際財務報告基準では、最終仕入原価法も禁止されている。
税法では届出なかった場合の法定評価は最終仕入原価法になっているので、この評価法を採用している中小企業は多い。
在庫管理システムで、先入先出法や後入先出法で自動評価計算させるのは難しい。
先入先出法の場合は、期末在庫数量になる迄、日付の新しい仕入データから順次積算していかなくてはいけないし、
後入先出法では、逆に期末在庫数量になる迄、日付の古い仕入データから順次積算していかなくてはいけない。
まだ、先入先出法の方がデータが残っている可能性高いので算出可能だが、後入先出法では、ある商品については古い仕入データが残っていない可能性が高い。
そういう意味で後入先出法が除外されたのはラッキーである。

在庫一覧表で在庫金額を表示する場合は、評価法が重要となる。
市販ソフトの多くは、「標準原価」「最終仕入原価」「月別総平均」から商品別に選択可能になっている。
倉庫管理しているユーザでは倉庫・商品別の移動平均法も選択されるようになっていた方がありがたい。

また、在庫一覧表では仕入・売上の取引履歴を集計出力しているが、棚卸入力した場合の差額も別記で表示されなくてはいけない。
棚卸差額数量があまりにも多い場合は原因追究と対策が必要だからである。
そしてこの棚卸差異データは商品台帳(在庫元帳)に棚卸日の取引履歴として出力されなければいけない。
数量が減った場合は出庫データとして、増えた場合は入庫(△出庫)データとして扱われる。

販売管理パッケージ「ふくろう販売」の棚卸入力の説明画面で、棚卸入力した差異データがどのようにシステムに反映されるかイメージがつかめる。

2009年06月21日(日)10時20分

商品の三分法・分記法と売上原価対立法

分記法は、商品100個仕入れた時に、商品 10,000 / 買掛金 10,000
50個売り上げた時に、売掛金 8,000 / 商品 5,000
                     商品販売益 3,000と仕訳する。
三分法は、商品100個仕入れた時に、仕入 10,000 / 買掛金 10,000
50個売り上げた時に、売掛金 8,000 / 売上 8,000と仕訳し、
期末に棚卸して、商品 5,000 / 期末棚卸高 5,000と仕訳する。
売上 8,000円-売上原価(仕入10,000円-期末5,000円=5,000円)=売上総利益 3,000円で分記法の商品販売益と一致する。
分記法は売上金額とその売上げた商品原価とが直接的に結びつくために正確な販売利益が求まるが、その反面商品を売上げた毎に売上原価を調べなくてはならないので、煩雑である。
しかも収益、費用を直接相殺して利益を求めているので、売上金額は簡単に把握できない方法である。
殆どの企業は三分法を採用していて、特に市販会計ソフトでは三分法前提で標準科目も設定している。

現在、某中小企業が大手会社に吸収合併で今までの手書き業務からシステム化の支援・提案をしている。
大手会社はERPシステム「SAP」を導入しているが、この大がかりなシステムを使うわけにはいかず、「ふくろう鋼材」+「勘定奉行」で進めている。
SAPでは売上や仕入入力と同時に会計データも作成されるため、分記法で仕訳されているようである。
但し、売上は都度、両建ての総額表示で、
売掛金 8,000 / 商品売上 8,000
売上原価 5,000 / 商品   5,000 と売上金額を把握できるようにしている。
商品勘定から売上原価勘定へ振替える売上原価対立法を採用しているので、商品の増減財産管理がリアルタイムでできる。
三分法は、期(月)末になって売れ残った商品の金額を調べてみないと、どれだけ儲かったのかわからないが、
売上原価対立法では、商品が販売された時点でどれだけ商品が残っているか、どれだけ利益(損失)が出たかがわかるという点では優れている。
しかし、三分法では仕訳が不要な入出庫データも売上原価対立法では仕訳しなければいけない。
たとえばサンプル品出荷の場合、売上原価 / 商品 という仕訳で商品在庫減と同時に原価に反映させる。

販売管理と会計が同一のメーカ・ソフトの場合は共通データとして持つこともできるが、他メーカの市販会計データを売上・仕入入力と同時にリアルタイムで更新することはできない。
売上・仕入データを自動仕訳でエクスポート・インポートして月末に販売管理システムから出力した在庫一覧表の在庫金額を三分法で起票し合計転記する方法が、一般的・安価でシンプルである。

販売管理と財務会計システムの三分法イメージ

2009年04月29日(水)13時56分

販売管理システムのユーザ権限

内部統制のITシステム実装のひとつとして、ログイン担当者によって処理できる機能制限をかける、ユーザ権限の機能は必須である。
例えば、①営業担当者Aは売上入力はできるが入金入力はできなくする。
②経理担当者Bは入金入力できるが、売上入力はできない。
また③担当者Aは売上新規入力はできるが、修正・削除は上長の担当者Cしかできない。
こうすることにより、誤り・不正防止や何か起こった場合の調査もしやすくなる。
市販の販売管理ソフトもこの機能は実装している。

弥生販売のユーザ権限登録、

商蔵奉行のユーザ権限登録、

どちらも上記例では①及び②の制限は可能だが、③はできない。
すなわち入力そのものの制限はかかるが、入力の中の新規・修正・削除・照会別に権限をかけることはできない。

販売管理パッケージ「ふくろう販売」では、③も可能である。

販売管理パッケージ「ふくろう販売」の担当者機能制限の説明画面で、ユーザ権限後の画面遷移を確認することができる。

2009年02月27日(金)17時32分

販売管理システム操作上のドリルダウン

ドリルダウンとは、穴をあけて下げていく、すなわち概要画面から詳細画面へ対象を絞り込んで掘り下げていくことである。
元々、多次元データベースのデータ分析を行なう際に利用される手法である。
Excelの[+]で折りたたまれた行の[+]をクリックすると、展開して詳細表示されるイメージがドリルダウンで、展開された[-]をクリックすると折りたたまれるのがドリルアップである。

販売管理システムの操作上でも、一覧表から伝票まで掘り下げていって修正という場合に、ドリルダウン(ジャンプ)機能があれば使い勝手がよい。
または、得意先からの問合せで過去のデータ検索し、伝票まで掘り下げてその伝票を複写して、新しい伝票作成できたらスムーズである。
下記をクリックするとサンプル画面に切り替わる。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」のドリルダウン画面はこのようになる。

受注や売上入力で商品コード入力時に、商品検索をカナ名や名称で参照することができる。
商品が多い時や、大分類・中分類・小分類と体系化されている場合は、このドリルダウンのような絞込み機能のカスタマイズを入れると入力しやすくなる。
鋼材業向け販売管理パッケージ「ふくろう鋼材」の商品検索画面はこのようになる。

2009年01月24日(土)17時27分

最終売上単価等、売上単価計算

某会計事務所のIT担当者から「顧問先に弥生販売を勧めようとして弥生のHPみてTELした。 
現在のシステムは得意先別商品の最終売上単価が常に表示されるので、この機能は捨てがたい。 弥生販売でも可能か」というような質問である。
弥生販売では、単価履歴から最新の売上単価を選択することで最終売上単価を設定できる。
弥生販売のサンプル画面はこのようになる。
OBCの商奉行も同様に、F7(単価情報)キーを押すと伝票上の得意先とその行で使用している商品の組合せで過去に登録した売上伝票の内、最新の日付10回分の単価を表示、選択できる。
PCAの商魂も単価で[Ctrl+R]押すと過去5回の入力順履歴が見れる。
単価履歴から選択する場合、直前の単価だけでなくその前の単価履歴情報もわかるので、それなりのメリットはある。
PCA商魂の場合は、売上単価には売上日に関係なく直前入力の単価が初期表示される。 すなわち最終単価でなく最新単価となる。

5端末のLANで一部ハード込、マスターデータ変換・指導料の予算100万円以内ということで、弥生販売5ユーザなら可能ではないかと回答した。
参考迄に商蔵奉行ならソフトだけで183万、商魂商管なら148万(いずれも税抜、withSQL 5cl)である。
しかし、現在の販売管理パッケージは、メーカがつぶれたが、使い慣れた得意先別商品別最終売上単価を採用したいので、
弥生販売のようにワン・クッション入るのはNGらしい。

VB.NETで新しく開発した販売管理パッケージ「ふくろう販売」は、得意先商品別最終売上単価自動表示だけでなく、さらにきめ細かい最終売上単価を設定できる。
すなわち、得意先商品別の売上数量に応じた最終売上単価を設定できる。 
さらに得意先の納入先によって商品別売上数量に応じた最終売上単価を優先させることも可能である。
ふくろう販売のサンプル画面はこのようになる。

売上単価の初期表示優先度は、
①得意先納入先商品数量別単価→②得意先商品数量別単価→③得意先商品別単価→④得意先選択単価種類による商品単価→⑤手入力となる。
最終売上単価を採用している場合には、上記の順で直前の売上日の単価が自動表示される。
すなわち、①が登録されていない場合は②から、①②が登録されていなかったり数量別単価を採用しない設定なら③から初期表示される。
さらに①②③がない場合は、④が採用される。
ただし、受注データからリレー売上した場合は、全て受注単価が引き継がれる。

今回のケースは、ここまでの機能は不要だし、カスタマイズもなく、予算も厳しいというので、多少の不便はあっても勧めようとしている弥生販売でOKかと思うが、得意先別商品の最終単価自動表示に強くこだわっているらしい。
業務ソフトは機能・価格面だけでなく使い慣れたソフトというアドバンテージも大きな要素である。

2008年12月25日(木)18時21分

複数受注一括売上

アップロードファイル 71-1.xls

↑【複数受注一括売上の画面遷移】:同時発注・同時仕入の流れから各伝票に行追加した場合の受注no引当て処理の説明

本日、20年程前から弊社のシステム使用してもらっているユーザへ新システムを納品した。
Win2008 Server + Terminal Service + VistaのOSでは3代目、熊本・大阪本社間データ転送していたが、初めてインターネットVPNでサーバにデータ一元管理するようになった。

手帳カバー等をOEM製造販売する会社だが、縫製・布の貼り合わせ・ビニールの高周波加工に強みを持つ。
パーソナルユースの商品だが店頭購入客ねらいでBtoBの商売をしている。
昔はラジオのカバーケース等立体的な縫製作業が多かったが、最近は文具関連の多品種少量生産が殆どらしい。
中国に生産委託が増え、縫製工場は少なくなっている。 この会社も多ロット・長納期は中国工場で製造するがそれ以外は熊本工場で製造している。
名刺ケースやネックストラップ等、色違いが何種類もあり、新商品の発生頻度多く商品点数は増える一方である。

システム的には受発注・売上・仕入・在庫+市販会計連動の販売管理業務だが、受注データから構成部品マスター通して材料部品の所要量計算表出力が、少し生産管理をプラスしたシステムとなっている。
ただ、一般の販売管理パッケージに無い機能として複数受注一括売上ができなくてはいけない。
すなわちN件の受注伝票をひとつの売上伝票にまとめて納品書発行するのである。
複数受注No.の組み合せの出庫指示だけでなく、受注No.の中の明細行の特定商品をまとめて売上計上もある。

受注:売上=1:1(リレー売上)や1:N(分納売上)は通常の販売管理ソフトは可能だが、N:1となると売上明細行に受注noを指定できるようにしなければいけない。
新しくVB.netで開発した「ふくろう販売」は、この複数受注一括売上を標準で実装できるように開発した。
ただ、この機能が要る顧客は少ないので伝票機能で導入時に使用するかどうか設定できるようにし、使用しない場合は明細行の受注no項目を非表示にしている。
受注・売上だけでなく発注・仕入の関係も同様である。

運用のサンプル画面はこのようになる。

商品を右から左に販売する形態では不要な機能だが、製造業で1受注伝票に複数の明細納期があったり、製造中に同一得意先から複数の受注があったり、製造の都合で早くまたは遅くできた場合は他の当日納品物といっしょに納品したりするようなユーザの場合、複数受注一括売上が発生する場合もある。
このユーザのように益々多品種少量生産の受注が多くなると必要機能である。
まとめて納品で運送費も安く、伝票毎税の納品書もすっきりする。
しかし、開発者泣かせの仕様だったようである(-_-;)。

2008年11月27日(木)17時47分

請求締切日の変更

前回は決算日変更というイレギュラーな処理について販売管理上の注意点について述べた。
今回は得意先の請求締切日の変更について説明する。

今迄20日締切で請求書発行していた得意先が11月21日分より末日締切に変更するといったような、これもイレギュラー処理だが、たまにある。
得意先の決算月のみ末日請求するというのは以前に記載したが、恒久的に締切日を変更する場合の切替前後の処理の事である。
新請求締切日分の伝票入力していない場合は、得意先の請求締切日を変更したら次回入力分から新請求締切日で請求書発行される。
この場合は特に問題ない。
①20日請求と末日請求が混在して入力する場合や、②既に新請求締切日分のデータ入力後に得意先の請求締切日変更となる場合が、少しややこしい。
例えば①は、11/20以前と11/21以降の伝票が複数端末から入力され、11/20以前は11/20請求、11/21~11/30は11/30請求となる場合である。
②は11/25迄入力後に11/21以降のデータは11/30に締切って請求書発行して欲しいという場合である。

「弥生販売」では、得意先の請求締切日変更した時点で前回請求締切日以降のデータは自動的に新請求締切日で請求締切される。
従って上記②は簡単に操作できるが、①はできない。
「商奉行」では、請求期間を指定して請求書発行できるので上記①及び②は簡単にできる。 常に請求期間必須入力は少しわずらわしいが。
「ふくろう販売」では、弥生と同様締切日グループを指定して請求締切する。
①の場合は予め複数締切日を設定しておくことで可能、②の場合は入力済伝票をひとつずつ新請求締日に変更しなくてはいけない。
それは、請求締切日を各伝票毎に保持しているからである。
得意先・変更前請求締切日・変更後請求締切日を入力して一括変換プログラムを作成したらいいのだがパッケージに組み込む程ではないと思う。
運用のサンプル画面はこのようになる。

2008年11月05日(水)17時06分

繰越処理と決算日変更

会計システムでは決算日・決算期(自年月日~至年月日)の概念が必須であり、期末繰越処理が必要である。
繰越後は、決算日から確定申告書提出迄の間は前期と今期を切り換えて処理する。
しかし、販売管理システム上では、年間売上等の分析資料で年度を使用する以外は特に意識する必要はない。
締切処理として重要なのは請求や支払締切である。
市販の販売管理ソフトでも繰越処理は無いのが多い。 
例えば「弥生販売」では[ツール]-[データ管理]で年度追加ボタンをクリックして新年度が入力できるようになる機能はあるが、繰越処理はない。
しかし、「商蔵奉行」では[随時処理]-[翌年度更新処理]で新会計期間のデータ作成と同時に新会計期間以前2期前のデータを消去する。
すなわち2期分のデータのみ保持している。

「弥生販売」ではデータ管理に表示されている会計期間内なら任意の伝票日付を入力できる。
「商蔵奉行」は、最終会計期間の期末日迄の伝票日付が入力できる。
2年前の期首日以前の伝票日付で入力できるが、各種帳票の集計期間がデータ保持している2年間しか指定できないので、出力できない。
この伝票は得意先登録の請求項目の締切残高に反映されている。 つまり、最終会計期間の直前会計期間の期首残に加算される。

新しくVB.netで作り直した「ふくろう販売」は繰越処理(期首開始処理)を無くした。
データは導入時から永遠に保持(削除することも可能)している。
伝票日付により今迄の会計期間のどれに該当するか(下図の①及び②)、または新会計期間を自動作成する(下図の③)かどうか判定している。
もちろん入力制限期間を設定して誤入力防止はできる。
以前の「ふくろう販売」の期首開始処理を自動化した。 決算日変更することなく、新年度の伝票入力するのが通常だからである。

決算日が変更になった場合はどうするか。
新年度の伝票入力前に[システム管理]-[会社登録]-[販売年度情報]で追加ボタンをクリックして変更後の決算日を入力すると
新年度ファイルが作成される(下図の④)。
新年度の伝票入力時に決算日変更後の新会計年度データとして認識される(下図の⑤)。 以後の伝票入力では、新決算日で自動繰越処理される。
④の新年度ファイル追加し忘れ⑤の伝票入力してしまった場合はどうするか。 
自動的に④は2010/3/31決算期で処理され、⑤は当該事業年度のデータとして認識される。
この場合は、決算期変更処理で2010/3/31→2009/12/20とすると、新年度で入力したデータも変更されてそのまま続行可能となる。

運用のサンプル画面はこのようになる。

殆どの市販の販売管理ソフトでは会計期間の変更を行うことができないので、データ新規作成でファイルを作成しなおさなければいけない。

繰越処理は年に1度、決算日変更はレア・ケース。
「新ふくろう販売」は、ユーザが意識することなく繰越処理が自動で処理され、決算日変更の例外処理にも対応できるように、
かゆいところに手が届くシステムに進化した。

2008年10月23日(木)10時07分

出荷と売上処理を切り換えて赤黒仕訳転記

アップロードファイル 66-1.xls

↑【計上flagと転記flagの遷移フロー】:売上計上/未計上をからめた赤黒仕訳転記の仕様

2007/4/24に赤黒仕訳転記という題名で、ふくろう販売から市販会計連動の仕組みを説明した。
今回は、出荷と売上処理を区別した場合の赤黒仕訳の仕組みを説明する。
販売業務は通常、①見積→②受注→③出荷→④売上の流れで処理する。
イメージでみるとこのようになる。
それぞれの処理毎に入力画面があるので、データもそれぞれにできるのが普通である。
しかし、ふくろう販売では、①と②で同一画面&同一データ、③と④で同一画面&同一データという構造をしている。
これは中小企業ターゲットに考えた場合、できるだけ少ない処理画面でシンプルに操作してもらおうと設計した。

データを別に持たなくてはいけないのは、元データに対してN件のリレー先が発生する場合(受注:売上=1:N)である。
受注伝票(データ)1件に対して分納売上がある場合はN件の売上伝票(データ)が発生する。 2件目のリレー売上については受注残数量初期表示から納品数量を入力していく。
しかし、見積から受注は殆ど1:1、出荷から売上計上も殆ど1:1だから、同一データ上でステータス変更することにより受注残・失注管理や在庫減・売掛増管理をしている。
ただ、システム的にはステータスを戻す場合もあるので仕訳連動も含めて整合性を考慮しておかなければいけない。
今回アップロードファイルも社内ミーティングでまとめたものの要約である。

2008年10月08日(水)20時35分

立替運賃の販売管理システム上の処理

商品を送る際の運賃を当方と得意先で折半という場合に、納品書・請求書には運賃を反映させるが、入金は商品代と合計で入る。
会計と連動しているので、伝票毎に運賃は未払金で転記し、運送会社に月末支払時には、未払金を消し込むというような処理である。
基幹業務システム導入してから何年か経って修正要望が出てくる事も少なくない。
生地卸問屋のユーザも得意先各店舗毎のOCR指定伝票をシステム化したいという依頼がきた。
現状は税抜単価で各店分もまとめて売上伝票入力し、各店には手書きでOCR指定伝票記入、請求書は業務システムから得意先本店にまとめて発行するが、各店別には手書き指定伝票から手入力でEXCELで作成していた。
運賃も半額分を指定伝票に手書きするが、1ケ月分合計を本店請求のため売上伝票入力する。 
それを各店毎に税込単価で売上伝票入力し、立替運賃も同じ指定伝票に業務システムから印字し、締切日には各店別請求明細付きで本店宛に集約請求書を発行するという修正である。
下記のイとロの指定伝票からハの請求書発行というイメージである。

イ.【10/08__甲社_A店__指定伝票____no=11】
  商品__________数量_____単価____金額
  プリント生地  10   105  1,050
  水玉生地   20   210  4,200
  運賃___________________________________420
  合計________________________________5,670

ロ.【10/15__甲社_B店__指定伝票____no=21】
  商品__________数量_____単価____金額
  プリント生地  20   105  2,100
  運賃___________________________________420
  合計________________________________2,520

ハ.【甲社 請求書】
 前回請求残 当月入金 当月売上 当月請求残
 ________0______________0_____________8,190___________8,190

 年月日 伝票no 伝区 金 額
 << A店 >>
 10/08   11   売上  5,250
             運賃   420
 A店計__________________________5,670
 << B店 >>
 10/15   21   売上  2,100
             運賃   420
 A店計__________________________2,520

no=11については、
10/08 売掛金 5,670  売 上  5,250 (250)
     甲社        未払金  420

no=21については、
10/15 売掛金 2,520  売 上  2,100 (100)
     甲社        未払金  420

そして入金時には、入金伝票入力後
11/30 預 金 7,770  売掛金 8,190
     振込料 420   甲社     という仕訳で会計に連動する。

運送会社支払時には、振替伝票入力で下記のように会計システムで入力する。
10/31 運 賃  840   預 金 8,190
     未払金  840   

システムを修正する場合は、顧客の要望を充たし、かつ、最小限のリスクでコストセーブしなければいけない。
他のシステムと連携している場合は、その影響も把握しておく。
例えば会計連動している時は、最終仕訳データとして正しく流れるか検証しておくことが肝要である。

販売管理システム「ふくろう販売」のカスタマイズ・ポイントは、
 ① 得意先の本店・各店で親子集約できるようにコード変更・各店追加および親子設定
 ② 得意先登録で伝票毎外税計算から伝票毎内税計算に設定変更
 ③ 伝区登録で売上諸経費を運賃名称変更と仕訳を売掛金/未払金に設定変更 とシステム設定やマスター登録で完了。

また、プログラム変更は、
 ① 3種類のOCR指定伝票印刷
 ② 請求書を伝票毎計から伝票毎伝区毎計に修正 と少ないリスクで修正可能であった。

ユーザのメリットは、
 ① 手書き指定伝票の廃止 ・・・ 6人日減/月
 ② 各店請求書作成の廃止 ・・・ 2人日減/月
 ③ 手書き指定伝票代節約 ・・・ 1万円/月
 と数値で現せる以外に、ベテラン女性でなくてもできるようになった、転記・計算ミス防止で安心、得意先に好印象等、改善効果はこれからじわじわ出てくるだろう。
次のステップの改善はオンライン・データで引き渡すようにすること。 まさにシステムは生き物である。

2008年08月27日(水)15時00分

在庫割れチェック

見込み生産や商品販売業の場合、在庫は適正に確保しておかなくてはいけない。
少ないと販売機会損失になるし、多いとコスト増になる。
そういう企業では、見積や受注段階で顧客からの問合せに対し、現在庫数や有効在庫数(現在庫数-受注残数+発注残数)がすぐにわかるような在庫管理システムを導入する必要がある。
また、最低在庫数や最高在庫数を商品別に設定して、入力時に範囲外になる時に警告メッセージを出すシステムが、在庫管理の機能としては必須になる。
在庫エラーとして更新できなくすると売上先行で入力し、仕入を後から入力するような場合に業務が止まるので、警告メッセージが妥当である。

例えば、A商品の最低在庫数=50個とした場合
  ---------------------------------------------
  入力順 年月日   入庫  出庫  在庫 
  ---------------------------------------------
   2008/8/31 残 高______________________100  
   ①  9/ 1 仕 入_____70_______________170
   ②  9/ 6 売 上_____________110_______60
   ③  9/ 5 売 上______________20_______40   ⇒ 最低在庫数割れ警告 
  ---------------------------------------------
上記②と③は、あえて日付を後先逆にしているが、市販の販売管理パッケージソフトでは日付無関係で入力時点の最終在庫数が表示される。

「弥生販売」「商蔵奉行」のサンプルで確認できる。

「ふくろう販売」では日付に添った在庫数が表示されるが、最終在庫数で在庫割れチェックをしている。

上記③の9/5売上入力では、在庫数は数量入力前は170、数量20入力後は150と表示されるが、
最終在庫60-20=40 < 最低在庫数の50となるため警告メッセージが表示される。

商品台帳等の帳票に出力すると日付順に在庫推移履歴がわかる。
  ---------------------------------------------
  入力順 年月日   入庫  出庫  在庫 
  ---------------------------------------------
   2008/8/31 残 高______________________100  
   ①  9/ 1 仕 入_____70_______________170
   ③  9/ 5 売 上______________20______150  ⇒ 売上入力時の在庫数として表示 
   ②  9/ 6 売 上_____________110_______40
  ---------------------------------------------

また、有効在庫数(発注残数含めない事も可能)も入力時に表示されているので、先読みの在庫管理が可能である。
有効在庫管理については、また後日に記述したい。

2008年08月10日(日)11時43分

請求書発行の仕組みと高速化

アップロードファイル 60-1.xls

↑【ふくろう販売_請求DBの仕組】:前月残高の計算や請求締切のデータベースと処理の概要説明

最近、ネットで検索して問い合わせてくる顧客が多くなってきた。
先日も同業者から、「他社が作成して2年前に導入したシステムで、請求書発行に3時間もかかるので何とかならないかと相談あり、探したところ『ふくろう鋼材』のサンプル画面みて興味あるので電話した」と資料請求とかなり突っ込んだ質問があった。
160端末で東京・大阪以外にも全国に拠点がある鋼材業の顧客らしい。
今のシステムは締め処理が無く、データを何年も保持している。
最初は速かったがデータ量増えるにつれ極度に遅くなった。
そういうこともあったので、ふくろう販売のデータの持ち方迄尋ねていた。
おそらく現在のシステムは、生データから集計して出力しているから、データ量増えるに連れ比例的に遅くなるのだろう。
集計ファイルを持ってそれから出力したら速いが、更新時やカスタマイズ・メンテナンス時の処理が複雑になる。
締め処理無くデータを何年も保持は、ふくろう販売でも同様だが、できるだけシンプルな集計ファイルの仕組でスピードと整合性のバランスを考えている。
前回請求残高をファイルに保持して今回請求の前月残高に持ってきたら出力時間は速いが、前月以前のデータの修正/削除が発生した場合は関連集計ファイルを都度更新しなければいけない。
同じデータでも請求締切単位と売掛月次単位の二重管理しなくてはいけない。
また、ふくろう販売では任意の期間(例:2008/06/11~8/10)の売掛残高一覧表売掛台帳を出力できるように、6月1日から10日はデータを集計して5月末売掛残高に加算して前回残高を計算している。
システムとしては、遡及してデータの修正はできるようにし、かつ、セキュリティ考慮でロックかかるようにしている。
柔軟な使い易さとメンテナンスのし易さを追求したデータベース構造の説明を口でするにはもどかしいので、添付ファイルにまとめた。
人気ラーメンのスープの隠し味のように、企業秘密の一部公開にあたるのでシートはパスワード付きで保護している。

2008年06月22日(日)15時10分

商品コード自動生成

販売管理パッケージを客先の業務に合わせてカスタマイズする時は、できるだけ最小限に抑えてニーズを充たすように設計しなければいけない。
フランジという商品を扱う企業の販売管理システムでは、商品分類の組み合わせにより商品コードを自動生成し、受注入力では商品分類で絞り込み検索したいという要望があった。
また、受注入力時に未登録の商品はその場で登録もしたい。
さらに、鋼材業特有の重量管理も必要で、商品分類の組み合わせパターンで重量が決まるので、可能な限り商品登録で重量も容易に設定したい。
市販の販売管理ソフトで業務処理をしていたが、上記の要望を充たす事ができないので、鋼材業向け販売管理パッケージ「ふくろう鋼材」のカスタマイズで対応することにした。

具体的な画面サンプルは、商品の自動登録を参照。

業務パッケージを企画設計する時はどの機能を組み込んでどの機能は個別対応にするか、取捨選択の判断が重要である。
なんでもかんでも取り込むと重たくなり機能も多すぎて操作も複雑、メンテナンスも大変である。
今回の商品コード自動生成の機能は基本機能に取り込む程ではなく、個別対応で必要な顧客が現れた時にこのモデルを参考にすることにしている。
しかし、受注登録時に未登録の商品はその場で登録できるという機能は、基本機能に組み込む事にする。
顧客の要望が商品のバージョンアップを促し、次の顧客のメリットへと、良循環が繋がるようにしていきたい。

2008年05月13日(火)16時27分

前受会費[月割]の請求と入金処理

昨日は会費を一括請求・入金・売上計上する場合の販売管理システムの考え方を記述したが、今日は会費を一括請求・毎月売上計上の場合はどうしたらよいかを考えていきたい。
一括会費と同様、前もって会費の請求書を発行し、一定の期日迄に入金されたら前受金として処理する。
但し、売上計上日に前受金/売上として処理する金額は請求額÷契約期間月数である。
一定の期日迄に入金されなかったら売上計上日に売掛金/売上として処理する。
こちらも売上金額は請求額÷契約期間月数である。
例えば12月末日決算で、契約期間12/1から1年間の物件を10/11で売上入力、10/31に12万円(税抜)の会費請求、11/30に全額入金された場合、
11/30 預 金 126,000 / 前受金 126,000
12/ 1 前受金  10,500 / 売 上  10,500 で1ケ月分だけ今期に売上計上する。 ・・・ ①
これが11/30で未入金の場合、
12/ 1 売掛金  10,500 / 売 上  10,500 で1ケ月分だけ今期に売上計上する。 ・・・ ②
入金締切処理にあたる前受振替処理で上記①②の判定処理が必要である。
端数入金の場合、11/30 預 金 5,000 / 前受金 5,000 の例だと、
12/ 1 前受金  5,000 / 売上  10,500
    売掛金  5,500           としなければいけない。
フローチャートで表示すると下記のようになる。
 
1.全額入金の処理フロー

2.一部入金の処理フロー

3.入金遅れの処理フロー

また、各入金状況の具体例→サンプル画面を掲載する。

サンプル画面は、販売管理ソフト の ふくろう販売[前受会費処理]から複写した。

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