税込売上単価時の売上原単価計算

税抜売上単価の時の売上原単価は税抜だが、税込売上単価の場合は税込で表示した方がよい。
例えば、税率5%とした場合、1000円の税抜売上単価に対して980円の税抜売上原価だと20円の税抜粗利とわかるが、
1050円の税込単価に対して980円の税抜単価表示では過大粗利の誤認をするので、1029円の税込原価で1050-1029=21円の税込粗利と表示される方がわかりやすい。

売上原価は売上入力時に、売上原単価×売上数量によって計算される。
この売上原価を標準原価/最終仕入単価/移動平均単価等のいずれかを商品別に採用して算出する。
今回は、移動平均法の税込売上原価計算の注意点について述べる。

移動平均法原価計算を採用している場合、得意先の税処理区分が内税と外税の場合には若干の誤差が生じる。
例えば、以下の仕入伝票があるとする。

仕入数量__仕入単価(税抜)__仕入金額(税抜)__消費税
______1____________213円______________213円____________10円_
______1____________202円______________202円____________10円_

仕入入力の画面サンプルは、このようになる。

この状態で売上伝票を入力すると、内税得意先と外税得意先で原単価が異なる。
内税の得意先:(213+10+202+10)÷(1+1)=217.5円
外税の得意先:(213+202)÷(1+1)=207.5円
この外税の得意先を5%の税込金額に換算すると207.5円×1.05=217.875円となる。
内税の得意先は217.5円だから217.875円-217.5円=0.375円の差が生じる。
10,000個の売上数量なら0.375円×10,000個=3,750円の過少売上原価、過大粗利計上となる。
これは、元々小数点以下の端数を切り捨てた消費税を税抜本体と合計した税込金額の集計値で平均計算しているからで、
その切り捨てた端数の積み重ね平均分だけ少なく算出されるのである。
213円×0.05=10.65円の0.65円と202円×0.05=10.1円の0.1円の合計、0.75円を合計数量2個で除算すると0.375円で、差額と一致する。

販売管理パッケージの「ふくろう販売」は上記の計算していたが、ver2からは次のように改善した。
内税の得意先:(213+202)÷(1+1)×1.05=217.875円
外税の得意先:(213+202)÷(1+1)=207.5円
この外税の得意先を5%の税込金額に換算すると207.5円×1.05=217.875円と、内税の得意先と等しくなる。
すなわち、税込得意先の場合は、Σ税抜在庫金額÷Σ在庫数量から税抜原単価を求めた後に(1+税率)を乗じて税込の原単価とする方法を採用した。(Σ税抜在庫金額は税抜単価×数量の差引集計値)

売上入力の画面サンプルは、このようになる。

消費税金額算出時に小数点以下の端数処理しているため、誤差が生じるのはやむを得ない。
しかし、内部的に小数点以下8桁迄持たせたので、誤差が顕在化することは非常に少なくなるだろう。
単価と数量の小数点以下がどちらも4桁迄可能だから8桁まで持たせた。

以上の「ふくろう販売」の操作を「弥生販売」で実行してみると、このようになる。

また、「商蔵奉行i」で実行してみると、このようになる。

弥生販売及び商蔵奉行は、移動平均原価計算でなく、月別総平均原価計算となり、自動計算でなく売上原価更新をメニュから実行する。
どちらも移動平均原価計算するには、仕入入力都度、月別総平均在庫単価を商品マスターの原単価に転送する「原単価更新」を一括処理しなければならない。
また税込売上伝票の明細行の原単価は税込だが、フッタの粗利益は常に税抜表示である。

 

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