販売管理システムと生産性向上設備投資促進税制

質の高い設備投資促進によって生産性向上を図り、我が国経済の発展を目的とした生産性向上設備投資促進税制は、単品30万円かつ合計70万円以上のソフトウェアについても対象となる。

2014年1月20日~2016年3月31日迄に取得し、中小企業(資本金1億円以下)が事業の用に供した場合は、即時償却と5%税額控除の選択制、 2016年4月1日~2017年3月31日迄に取得し、中小企業が事業の用に供した場合は、50%特別償却と4%税額控除の選択制というのが概要である。

ソフトウェアについてはハードル高く証明書が必要で、機能追加等による改修(いわゆる資本的支出)は対象外である。

対象となるソフトウェアは、生産性向上設備投資促進税制(A類型)と中小企業投資促進税制(上乗せ措置)に共通で、この制度の対象外でも、中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度においても、従来どおり一定のソフトウェアは対象である。

活用できる税制をまとめた資料(JISAより)が下記である。

一覧表

ソフトウェア導入事業者(ユーザ)は申告期限までに証明書を開発元事業者等から入手して税務申告書に添付しなければならない。
証明書の発行要件をまとめた資料が下記である。

発行要件

情報分析機能・情報指示機能を備えていることが証明書発行の必須条件で、分析機能が作用した結果に基づいて指示機能が作用するという関係が構築されていなくてはいけない。

上記機能要件のbの例としては、過去の販売情報から適性在庫水準を分析し、在庫状況に合わせてアラートを発出する機能が充足し、単に商品マスターに適正在庫を登録して入力時にアラートを発出する機能では、適正在庫登録という人手を介しているので 分析機能が作用した結果に基づき指示機能が作用という関係になっていない。
他に生産情報から不良品の発生状況を分析し、改善すべきポイントを明示する機能、営業先への最終訪問後、一定期間を経過した場合に自動でアラートを発出する機能や、過去一定期間の最大月末売掛債権残高を得意先別与信限度額に自動設定し、オーバした時は主要担当者にメール通知したり、入力時のアラートを発出する機能等がある。

手作業でできることをコンピュータが代行する機能を有するだけのソフトウェアは生産性を向上する投資促進に繋がらないため対象とならない。

対象外のソフトウェアの例示は、情報サービス産業協会の「・・先端設備(ソフトウェア)の機能要件に関する考え方」のp3参照。

 

カスタマイズ可能な販売管理システムfukuaik20x30ふくろう販売」も上記表のパッケージ・ソフトウェアの第1類型として、2015/4/30に申請し、6/19に産業競争力強化法に基づく先端設備(ソフトウェア)事前登録一覧に掲載された。

 

申請書類はパッケージ・ソフトウェア毎に提出するので、他に「ふくろうレンタル」・「ふくろう建機レンタル」・「ふくろう鋼材」・「ふくろう食品」 も同時に申請した。

証明書発行要件の概要は、下記のとおりである。

1.【情報収集機能】

得意先別に前月末以前1年間の月末売掛債権(売掛残高+未落手形残)の最高額を検索し、得意先別与信限度額として設定する。

この時、得意先別の現在売掛債権残高の情報を収集する。 なおこの処理は毎日夜間に自動処理する。

2.【情報分析機能】

受注入力時や売上入力時に直前の売掛債権+入力中の金額と、先の得意先別与信限度額とを比較し、与信限度内に収まっているかチェックする。
また、毎日処理する情報収集過程で、得意先別に売掛債権が得意先別与信限度額の100%超なら要対策情報として分析する。
3.【情報指示機能】

①.得意先毎の過去1年間の実績から人間が関与する事なくシステムが得意先毎与信限度額を情報収集する。
②.受注入力時、上記1の与信限度額をオーバーしたら警告メッセージを表示し、入力担当者に過剰受注を警告し、受注伝票登録できなくなる。
③.売上入力時、上記1の与信限度額をオーバーしたら警告メッセージを表示し、入力担当者に過剰売上を警告し、売上伝票登録できなくなる。
④.与信限度額要注意と要対策の得意先の主要担当者に自動でメール送信し、担当者が督促・回収不能処理に費やす時間やコスト増を防止する。(なお、この機能はメール通知オプション機能により機能要件を満たす)

こちらをクリックすると、以上の機能を画面遷移で説明した詳細資料が表示される。

 

なお、生産性向上設備投資促進税制を利用するには、証明書が必要で税務申告書に添付するため申告期限迄に余裕をもって開発元事業者等に申請依頼しなければいけない。

事前登録番号ありの場合は、送付票、様式1・2・5、事務手数料(PK1件当り1万円+証明書1通当り3千円)の請求先連絡票、返信用封筒をJISA「証明書」係に提出する。

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