売掛金の開始残高に対する回収予定

販売管理システムの「ふくろう販売」を導入した顧客からサポートに次のような問い合わせがあった。

8月末日で導入時開始残高を登録した得意先で請求締切をし、9月末日付けで入金入力をすると回収予定額が0円になっている。
回収予定確認にも表示されないので、プログラムの不具合でないかとの事である。

画面遷移で状況を再現するとこのようになる。

結論から言うと不具合でなく、開始残高金額に対する回収予定の内訳登録機能は実装していないので、回収予定額には表示されない仕様である。
請求時に今回請求期間分の売上金額合計(今回請求金額)と当該得意先の回収条件を照合して回収予定データを作成するので、開始残高日以前の売上伝票が無い場合は回収予定データが作成されないのである。

例えば、100万円の売掛金開始残高の回収予定が9月末日で全額振込なら、回収予定日=9/30、回収種別=振込、回収予定額=100万円と回収予定内訳登録したらよいが、
半金半手(振込と手形50%ずつ)なら、回収種別=振込で50万円、手形で50万円と2件の内訳登録が必要である。
さらに7月末日請求残が30万円、残りが8月末日請求分なら、回収予定日=8/31で振込15万円、手形15万円と回収予定日=9/30で振込35万円、手形35万円と4件の内訳登録しなければならない。
これは、売掛金残高履歴を調べて登録と顧客にとっても煩わしいし、回収予定内訳登録のプログラムを実装するメリットも少ない。
導入後最初の入金処理時には回収予定額が表示されないが、開始残高日以降で売上入力した後の次回請求締切処理で今回請求金額に対する回収予定データは作成され、次回以降の入金入力では正しく回収予定額が表示され、回収予定一覧表も回収状況一覧表も正しく出力される。

翌月のサンプル画面遷移で確認するとこのようになる。

今回請求金額によって回収予定データが変わるような場合も正しく表示される。
例えば、200万円を超える場合は回収予定日が1ケ月延びる場合なども正確に回収予定一覧表に出力される。

翌々月のサンプル画面遷移で確認するとこのようになる。

このように時の経過と共に入金入力時の回収予定額は正しく表示されるようになる。

回収予定一覧表は先日付の回収予定額を見て資金繰りを考察する資料で、発生計算的な管理をしているので開始残高を無視している。
一方、回収状況一覧表は売掛残高の滞留額を早めに感知して対策うつための残高計算的な資料だから、開始残高も当然加算しなければいけない。
当月分滞留額=請求開始残高+当月迄の回収予定日の売上金額-現在迄の入金合計 となる。

なお、商奉行iでは売掛金の開始残高に対する入金伝票を回収予定の対象外に指定する事により、開始残高用の入金情報を表示させないようにしている(入金伝票基準)。

 

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