得意先見積から複数の相見積依頼伝票作成

ガラスメーカー産業を中心に自動車ガラスに使用される電子部品を製造・販売する会社の販売生産管理システムを開発中である。
販売管理と生産管理の連携システムである。
販売管理パッケージ「ふくろう販売」をベースにカスタマイズするのだが、今迄は弥生販売パッケージに合わせて処理していた。
15ライセンスでは足りなくなったので、「ふくろう販売」の20同時稼働ライセンスで5拠点37端末を既存の2台のサーバで処理する。
得意先の見積から複数仕入先へ見積依頼のスムーズな処理、外貨建て、INVOICE・PACKING LIST等の海外向け伝票、柔軟な生産入力等が主なカスタマイズである。

今回は、得意先の見積から複数仕入先への見積依頼処理(いわゆる相見積・合見積)について説明する。

受注生産の会社で、まず得意先からの見積要求や内示(得意先の生産計画に基づいて製造手配に着手)がスタートとなる。
得意先の見積提出前に仕様を付加して仕入先に見積依頼を提出し、社内加工費や利益を載せて得意先への見積金額とする。
この時、ひとつの商品について複数の仕入先に見積依頼をし、価格・納期等を考慮して1社に決める。
その見積依頼の回答金額を見積原価として、得意先に見積書を発行する。
失注になれば当然仕入先にも失注となるが、受注決定した場合は、1社に発注し、残りの仕入先は失注とする。
この仕入先の失注データは後日参考にするため削除しないで残しておく。

この一連の処理の中で、仕様をメモや摘要行に何行も入力するが複数仕入先の見積依頼に全て複写して欲しいというのである。
具体例で示すと、下記のようになる。

① ふくろう販売㈱から、このような受注があったとする。

② 1行目のデスクトップパソコンについては、相見積仕入先2に発注処理し、

③ 相見積仕入先3を失注処理する。

④ 2行目のノートパソコンについては、相見積仕入先1を失注処理し、

⑤ 相見積仕入先2を発注処理する。

この例は、受注決定してからの発注処理の流れだが、見積依頼作成時は、次のような流れになる。
①の見積同時見積依頼処理で②~⑤の見積依頼伝票が複写されて作成される。
この時の②は①のメモや摘要が複写され、不要な場合は行削除や訂正ができる。
③の見積依頼伝票は②の明細が複写される。同様に不要行の削除や訂正ができる。
④は①のメモや摘要が複写され、⑤の見積依頼伝票は④のメモや摘要が複写される。

弥生販売では見積から複写できる伝票は他の見積伝票、受注伝票、売上伝票だったので、いったん受注伝票を作成していた。
受注伝票から複写できる伝票は他の受注伝票、発注伝票、仕入伝票、売上伝票で、その中の発注伝票を作成し、さらに発注伝票(発注・受注・売上・仕入伝票に複写可)から他の仕入先の発注伝票を複写で作成していた。
もし、失注になると受注伝票と発注伝票を削除しないと架空の受注残及び発注残がいつまでも残ってしまう。
受注になっても発注しなかった仕入先の発注伝票は削除しなくてはいけない。 削除すると見積依頼履歴もなくなるが・・
よく削除し忘れて業務が混乱する事も少なくなかったらしい。

実際の処理画面の流れを「弥生販売」でみてみるとこのようになる。

これが、どのように改善されたか、

実際のサンプル画面を「ふくろう販売」でみてみるとこのようになる。

【見積時】:見積→同時見積依頼→複数の見積依頼複写
【受注時】:受注更新→見積依頼の発注/失注更新→納品売上→同時仕入
【失注時】:失注更新→見積依頼の失注更新
と実際業務の流どおりのIT処理となって、省力化と同時に間違い防止にもなった。

 

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