先入先出法による原価計算②

前回は取引発生順、すなわち日付時刻順に仕入・売上入力し、先入先出原価計算で売上原価算出の説明をした。
今回は、仕入伝票を削除したり修正した場合の売上原価再計算の説明をする。

前回の例を上げると、
12/1 @500×5個=2,500円
12/2 @550×8個=4,400円
12/3 @570×3個=1,710円 の仕入があった場合の、
12/4 @1000×10個=10,000円の売上に対する売上原価を先入先出法で計算すると、
12/1の2,500円(5個)と12/2の@550×(売上数10個-12/1の5個)=2,750円を加算した5,250円となっていた。

ここで12/1の@500×5個=2,500円の伝票を削除したら、
12/4 @1000×10個=10,000円の売上に対する売上原価を先入先出法で計算すると、
12/2の4,400円(8個)と12/3の@570×(売上数10個-12/2の8個)=1,140円を加算した5,540円となる。

それを、鋼材業向け販売管理パッケージ・システムの「ふくろう鋼材」で、画面遷移で確認してみる。

【先入先出原価計算 ②】:仕入伝票削除後に売上伝票呼び出し先入先出原価再計算ボタンをクリックする方法は、このようになる。

次に、仕入数量及び単価を変更した場合を見てみよう。
12/2 @550×8個=4,400円
12/3 @570×3個=1,710円 の仕入を
12/2 @550×18個=9,900円
12/3 @565×3個=1,695円 に変更して売上原価再計算をすると、12/2の@550×10個=5,500円となる。

【先入先出原価計算 ③】:仕入伝票修正後に一括処理の先入先出原価再計算する方法は、このようになる。

さらに、
12/2 @550×18個=9,900円
12/3 @565×3個=1,695円 の仕入を
12/2 @550×8個=4,400円
12/3 @565×3個=1,695円 に変更して売上原価再計算をすると、12/2の4,400円(8個)と12/3の@565×(売上数10個-12/2の8個)=1,130円を加算した5,530円となる。

【先入先出原価計算 ④】:仕入伝票修正後に売上伝票呼び出し先入先出原価再計算ボタンをクリックする方法は、このようになる。

以上のように仕入伝票や売上伝票の修正削除が発生したり、日付ランダムに入力した場合は、再計算することにより正しく先入先出原価計算される。

先入先出原価計算のロジックをまとめると、
①直前在庫金額
売上入力前の在庫金額を在庫継続記録ファイルより算出する。
②直後在庫金額
売上日(・更新日時)の直近仕入伝票を直後在庫数量に達する迄、伝票日付(・更新日時)順に仕入金額を加算する。
③売上原価
①-②で算出し、在庫継続記録ファイルの更新をする。
なお、在庫継続記録ファイル(倉庫別商品累計)の更新は仕入・入庫・売上・出庫データが対象だが、仕入値引・売上値引は対象外としている。

 

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