建機レンタル業の月極日割単価計算

建機レンタル業の貸出単価には、一括・日極・月極固定単価の他に月極日割単価というものがある。
一括単価は備品やイベント品によく使用される単価で、2泊3日なら3,000円が3泊4日なら3,500円というように一定期間まとめていくらという単価である。
日極単価は借りた日数に乗じる日単価で、月極固定単価は借りた月数に乗じる月単価である。
ちょうど1ケ月借りた場合は月単価でよいが、1ケ月と1日の場合は月単価+日単価×1日が納得いくが、2ケ月分取られると損した気分になる。
同じ商品なら、通常日単価×30日よりも月単価の方が低い。 例えば日単価500円だが月単価5,000円というような単価設定をする。
1ケ月と9日借りたら、5,000円+500円×9日=9,500円、1ケ月と10日借りたら、5,000円+500円×10日=10,000円、1ケ月と11日借りたら、5,000円+500円×11日=10,500円でなく、5,000円×2ケ月=10,000円の方が有利である。
このように、日割単価採用より月単価採用の方が安い場合には月単価採用に自動的に切り替えるのが、月極日割(日極比較)単価計算である。

さらに前金の場合はよいが、返却時精算の場合は、長期間貸出の回収リスクが高まるし、返却予定日が決まらない場合は、いつまで経っても請求できなくなる。
そこで、請求締切日を設定し、その期間の貸出日数に対応する金額を請求するのが一般的である。
そうすると、貸出日から請求締切日迄の請求金額と、請求締切日の翌日から翌月返却日迄の請求金額合計が、貸出日から翌月返却日迄の請求すべき金額と異なる場合が生じる。

以下に、建機レンタル業向け販売管理システムの「ふくろう建機」の実際の画面遷移を交えて具体例で説明する。

例えば、20日締、7/14貸出日、7/25返却日、日単価500円、月単価5,000円の場合、
①1ケ月目請求期間 7/14~7/20  7日間 500円× 7日=3,500円

上記の実際のの画面遷移はこちら。

②2ケ月目請求期間 7/21~7/25  5日間 500円× 5日=2,500円
③貸出期間で計算 7/14~7/25 12日間 500円×12日=6,000円 > 月単価 5,000円で月単価採用
①+②=3,500円+2,500円=6,000円と、請求すべき金額の③5,000円と異なるというケースである。
①はすでに請求済みであるから②の請求書は5,000円-3,500円=1,500円としなければいけない。

上記の実際の画面遷移はこちら。

上記の例で8/30返却日の場合はどうなるか。
④貸出期間で計算 7/14~8/20 1ケ月と7日間 月単価5,000円÷30日×7日間=1,167円と月単価5,000円の合計6,167円
⑤2ケ月目の請求書 6,167円-7月請求額3,500円=2,667円となる。

上記の実際の画面遷移はこちら。

⑥3ケ月目の請求書 8/21~8/30 10日間 月単価5,000円÷30日×10日間=1,667円となる。

上記の実際の画面遷移はこちら。

また、日単価採用の場合には休止日は請求対象としないケースもある。
上記の例で7/22返却日の場合、
①で休止日が 2日あった場合、1ケ月目の請求書は500円× 5日(7日間-休止日2日)=2,500円

上記の実際の画面遷移はこちら。

⑦貸出期間で計算 7/14~7/22-休止日2日=9日-2日=7日 日単価500円×7日=3,500円 < 月単価5,000円
⑧2ケ月目の請求書 7/21~7/22=2日 日単価500円×2日=1,000円 となる。

上記の実際の画面遷移はこちら。

上記の例で7/25返却のままなら休止日は考慮しない。
なぜなら休止日無関係の貸出期間で金額計算後、月単価採用となれば日単価採用のみ有効の休止日は無効となるからである。

上記の実際の画面遷移はこちら。

プログラムを組むに当たってロジックを考える前に、下記のようなシミュレーション資料を作成しておくと理解しやすい。

Case1を順に説明すると次のようになる。

a.【7/14~7/20の 7日間貸出】 日単価 500円× 7日= 3,500円 → 7/31請求書 ⇒ トータル 3,500円
b.【7/14~7/22の 9日間貸出】 日単価 500円× 2日= 1,000円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 4,500円
c.【7/14~7/23の10日間貸出】 日単価 500円× 3日= 1,500円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
d.【7/14~7/24の11日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月=1,500円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
e.【7/14~7/29の16日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月=1,500円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
f.【7/14~7/30の17日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月=1,500円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
g.【7/14~7/31の18日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月=1,500円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
h.【7/14~7/13の31日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月=1,500円 → 8/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
i.【7/14~8/14の32日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日×1日= 167円)⇒1,667円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 5,167円
j.【7/14~8/20の38日間貸出】 前月分△3,500円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日× 7日=1,167円)⇒2,667円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 6,167円
k.【7/14~8/25の43日間貸出】 (5,000円÷30日× 5日= 833円)= 833円 → 9/30請求書】 ⇒ トータル 7,000円
l.【7/14~9/20の69日間貸出】 (5,000円÷30日×30日=5,000円)=5,000円 → 9/30請求書】 ⇒ トータル 11,167円

Case2を順に説明すると次のようになる。

m.【6/29~7/ 7の 9日間貸出】 日単価 500円× 9日= 4,500円 → 7/31請求書 ⇒ トータル 4,500円
n.【6/29~7/ 8の10日間貸出】 日単価 500円×10日= 5,000円 → 7/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
o.【6/29~7/ 9の11日間貸出】 月単価5,000円× 1月= 5,000円 → 7/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
p.【6/29~7/14の16日間貸出】 月単価5,000円× 1月= 5,000円 → 7/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
q.【6/29~7/20の22日間貸出】 月単価5,000円× 1月= 5,000円 → 7/31請求書 ⇒ トータル 5,000円
r.【6/29~7/22の24日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月= 0円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 5,000円
s.【6/29~7/28の31日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月= 0円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 5,000円
t.【6/29~7/29の32日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日× 1日= 167円)⇒ 167円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 5,167円
u.【6/29~7/30の32日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日× 2日= 333円)⇒ 333円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 5,333円
v.【6/29~8/12の45日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日×15日=2,500円)⇒2,500円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 7,500円
w.【6/29~8/13の46日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日×16日=2,667円)⇒2,667円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 7,667円
x.【6/29~8/20の53日間貸出】 前月分△5,000円+月単価5,000円×1月+(5,000円÷30日×23日=3,833円)⇒3,833円 → 8/20請求書 ⇒ トータル 8,833円
y.【6/29~8/25の48日間貸出】 (5,000円÷30日× 5日= 833円)= 833円 → 9/20請求書】 ⇒ トータル 9,666円
z.【6/29~9/20の84日間貸出】 (5,000円÷30日×30日(30日超は30)=5,000円)=5,000円 → 9/30請求書】 ⇒ トータル 13,833円

 

Comments are closed.