事例の概要(結論)
仮設資材レンタル業のユーザから、現場別の消費税計算や請求書の変更、レンタル請求期間の表示、検収入力の改善、出荷・引取予定の一元管理などの要望があった。
2020年のシステム導入から、実際の業務に合わせて段階的にカスタマイズを実施。**導入後4年9か月までの受注分累計は49人日、参考価格約392万円(税別)**となった。
ユーザの要望・業務背景
仮設資材レンタル業では、同じ得意先でも複数の工事現場へ資材を貸し出すことがある。
そのため、現場別の貸出状況、出荷指示、レンタル料金、運搬費、工事費、返却・検収などを関連付けて管理する必要がある。
今回のユーザからは、システム導入時に次のような要望があった。
- 現場別に消費税を計算したい。
- 運搬費と工事費を請求書で区別したい。
- 出荷指示書を仕入先別に出力したい。
- レンタル継続伝票の売上金額を修正できるようにしたい。
そこで、ふくろう仮設資材レンタル をベースに、現場別の管理と独自帳票に対応するカスタマイズを行った。
さらに導入後は、レンタル請求期間の表示、検収入力の改善、出荷・引取予定の一元管理など、追加のカスタマイズを実施した。
今回のカスタマイズ内容
① 導入時カスタマイズ(2020年7月)
導入時には、現場別の管理と請求書・出荷指示書の変更を中心に対応した。
現場別の消費税計算に対応するとともに、請求書では運搬費と工事費を分けて表示するようにした。
また、貸出一覧表に仕入先による検索条件を追加し、出荷指示書を仕入先別に出力できるようにした。
レンタル継続伝票については、売上金額の修正に対応することで、継続請求業務に合わせた運用ができるようにした。
② 導入後の追加カスタマイズ(導入後4年9か月まで)
導入後は、次の3つの業務について追加カスタマイズを行った。
レンタル請求期間・請求日数の表示
日極一括のレンタル請求で、請求期間や請求日数を確認できるようにする変更を行った。
検収入力の販売明細行数拡張
検収入力において、販売分の明細を入力できる行数を増やす変更を行った。最終的な見積では6行の追加となっている。
出荷・引取予定の一元管理
従来の引取書にデータ保存機能を追加し、「引取予定入力」として利用できるようにした。
また、出荷予定表を「業務予定表」に変更し、出荷予定と引取予定を同じ一覧で確認できるようにした。
出荷指示書のレイアウト変更やExcel保存にも対応する内容とした。
4.カスタマイズ一覧表
① 導入時受注分(導入年月:2020年7月)
| カスタマイズ区分 | 内容 | 参考工数 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| 帳票 | 貸出一覧表への仕入先項目・検索条件追加 | 3人日 | 約24万円 |
| 帳票 | 出荷指示書の仕入先別出力・レイアウト変更 | 3人日 | 約24万円 |
| 請求・計算 | 現場別の消費税計算 | 6人日 | 約48万円 |
| 請求・帳票 | 運搬費と工事費の区分表示 | 6人日 | 約48万円 |
| 売上・計算 | レンタル継続伝票の売上修正 | 9人日 | 約72万円 |
| 小計 | 27人日 | 約216万円 |
② 追加カスタマイズ分(導入後4年9か月まで)
| カスタマイズ区分 | 内容 | 参考工数 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| 請求・帳票 | 日極一括のレンタル請求期間・請求日数の変更 | 1人日 | 約8万円 |
| 検収・画面 | 検収入力の販売明細行数を6行追加 | 3人日 | 約24万円 |
| 画面・帳票 | 出荷指示書の変更、引取予定の保存、業務予定表への変更 | 18人日 | 約144万円 |
| 小計 | 22人日 | 約176万円 |
5.カスタマイズ総工数・参考価格
受注分累計
49人日
約392万円
| 導入時カスタマイズ | 27人日 | 約216万円 |
| 追加カスタマイズ | 22人日 | 約176万円 |
参考価格は税別。パッケージ利用料、保守料などは含みません。
6.カスタマイズのポイント
今回の特徴は、導入時にすべての業務を一度に変更するのではなく、導入後も必要な機能を追加してきたことである。
導入時には現場別の請求や売上処理を整備し、その後、請求明細や検収入力、引取予定管理へと対応範囲を広げた。
特に、出荷予定と引取予定を同じ業務予定表で扱う仕組みは、レンタル業務における予定管理と実績管理の関係を整理するうえで重要なカスタマイズといえる。
7.IT税理士・システム設計者としての視点
仮設資材レンタル業では、現場別の請求管理と、返却・検収・在庫管理を適切に関連付ける必要がある。
現場別の消費税計算や運搬費・工事費の区分表示は、請求書の見やすさだけでなく、売上の計上方法や会計処理との整合性にも関わる。
また、出荷・引取予定と実際の出入庫を分けて管理することは、在庫数量や売上計上の正確性を保つうえでも重要である。
業種別パッケージの標準機能を活用しながら、企業固有の業務に必要な部分を段階的にカスタマイズしていくことが、費用対効果を検討するうえで参考になる事例である。
注意書き
掲載している工数・価格は、この導入事例をもとに記事作成時点の基準で算出した参考値です。実際のカスタマイズ費用は、現在の標準機能、仕様、対象画面、帳票、処理内容、連携内容等によって異なります。過去の事例では、導入当時はカスタマイズだった機能が現在は標準機能となっている場合があります。また、掲載価格は人件費・物価・開発環境等の変化により将来変更される場合があります。正式な金額はヒアリング後のお見積りとなります。記載金額は税別です。 Astem