事例の概要
鋼材・資材の加工を主な事業とする企業に、「ふくろう販売」標準パッケージをベースとした販売管理システムを導入した事例です。
従来の事務コンからの移行にあたり、商品コードとは別に図面管理番号を扱えるようにし、受注明細表の検索・出力に活用する機能と、納品書を2連形式に変更するカスタマイズを採用しました。
当初は図面ファイルを見積・受注明細に紐づける機能も検討しましたが、導入時点では必須ではないと判断し、見送りました。
その結果、必要な機能に絞ったカスタマイズとなり、**導入時のカスタマイズ工数は1.2人日、参考価格は96,000円(税抜)**となりました。
1.導入前の課題
今回の企業では、従来、東芝製の事務コンを利用して売上管理を行っていました。
主な業務は鋼材や資材の加工であり、売上の中心は加工賃です。鋼材そのものの仕入・販売や重量計算は必要なく、一部の部品販売も数量と単価による計算で対応できる業務内容でした。
新しい販売管理システムの導入にあたり、次のような要望がありました。
- 売上管理に加えて、受注管理も行いたい。
- 商品コードとは別に図面管理番号を管理したい。
- 受注明細表に図面管理番号を表示し、検索やExcel等へのデータ出力に活用したい。
- 納品書を従来の業務に合わせた2連形式にしたい。
- 見積書・納品書・請求書をPDFで出力したい。
- 将来的にはFAX注文の削減や電子化も進めたい。
また、図面管理サービスを導入しており、FAXなどで受け取った図面を管理していました。
当初は、この図面ファイルを販売管理システムの見積・受注明細から直接開く機能も検討しましたが、導入時点では必須ではないという判断になりました。
2.標準パッケージを採用した理由
鋼材を取り扱う加工業では、重量計算や在庫管理、切断・端材管理などが必要となる場合があります。
しかし、今回の企業では鋼材そのものの販売や仕入はなく、加工賃の請求が中心でした。
そのため、鋼材加工専用の機能を備えたシステムではなく、「ふくろう販売」シリーズの標準パッケージを採用しました。
既存の売上管理だけでなく、受注入力や出荷指示書の利用も検討し、標準機能をできるだけ活用する構成としました。
業種名だけでパッケージを選ぶのではなく、実際の業務内容に合わせて必要な機能を選択することが重要です。
3.導入時のカスタマイズ内容
2024年10月の打ち合わせを経て、次の2つの機能を導入時のカスタマイズ対象としました。
| カスタマイズ内容 | 対応概要 |
|---|---|
| 図面管理番号の活用 | 商品マスタの備考1を受注明細表の出力・エクスポート・検索条件に追加 |
| 納品書の2連化 | 標準納品書を納品書・納品書控えの2連形式へ変更 |
| 合計工数 | 1.2人日 |
※2項目をまとめた工数であり、個別の工数内訳はありません。
① 商品マスタの備考1を図面管理番号として活用
加工業では、同じような製品であっても図面管理番号で加工内容を区別する場合があります。
今回の企業でも、商品コードとは別に図面管理番号を管理したいという要望がありました。
そこで、新たに専用の管理項目を設けるのではなく、既存の商品マスタの「備考1」を利用することにしました。
さらに、この項目を受注明細表の出力項目、エクスポート項目、検索条件に追加しました。
これにより、既存のマスタ項目を活用しながら、図面管理番号を受注情報の確認や検索、データ出力に利用できるようにする構成としました。
② 納品書を2連形式に変更
従来の運用に合わせ、納品書と納品書控えを一組とする2連形式への変更を行いました。
「ふくろう販売」の標準納品書レイアウトを利用し、2連形式に変更する内容です。
帳票を一から開発するのではなく、標準帳票を活用することで、カスタマイズ範囲を小さくしています。
なお、既存の専用用紙を使用する一部の得意先については、当面、従来の事務コンから帳票を発行し、販売管理システムにも実績を入力する運用が検討されました。
4.導入時のカスタマイズ工数と参考価格
| 区分 | 工数 | 参考価格(税抜) |
|---|---|---|
| 図面管理番号の活用・納品書2連化 | 1.2人日 | 96,000円 |
| 合計 | 1.2人日 | 96,000円 |
※参考価格は、カスタマイズ工数に1人日80,000円(税抜)を乗じた概算額です。実際の販売価格・契約金額とは異なります。パッケージ利用料、導入支援費等は含んでいません。
5.検討したものの見送ったカスタマイズ
当初の打ち合わせでは、図面管理をさらに便利にするため、図面ファイルを見積・受注明細から直接開く機能も検討しました。
| 見送りとなった機能 | 工数 |
|---|---|
| 見積・受注明細に図面ファイルのパスを登録し、クリックして開く機能 | 12.0人日 |
| 見送り工数合計 | 12.0人日 |
この機能は、見積入力と受注入力のそれぞれの明細にファイルパスを追加し、クリックすると対象ファイルを表示するものです。
しかし、既存の図面管理サービスではログインが必要となるため、URLから直接図面を開く方法に課題がありました。
また、図面ファイルを別の保存場所にも管理する必要が生じる可能性がありました。
こうした点を検討した結果、導入時点では必須ではないと判断し、今回のカスタマイズ対象から除外しました。
すべての要望を最初からシステム化するのではなく、必要性や費用対効果を確認しながら導入範囲を決定したことが、この事例の大きな特徴です。
6.導入システムの構成と運用
今回採用したのは、Microsoft Azureを利用したハイブリッドモデルです。
| 項目 | 導入内容 |
|---|---|
| パッケージ | ふくろう販売・標準版 |
| 利用形態 | Microsoft Azureを利用したハイブリッドモデル |
| 利用ライセンス | 2ライセンス |
| 導入支援 | データベース構築、オンライン操作講習 |
| 主な対象業務 | 見積・受注・売上・請求管理 |
受注管理への移行
従来は売上管理が中心で、得意先から届いた注文書を作業指示に利用していました。
新システムでは受注入力を行い、標準機能である出荷指示書を活用する運用も検討しました。
PDFによる帳票出力
請求書については、請求書管理サービスとのPDF連携も検討しており、「ふくろう販売」の請求書発行メニューからPDF出力する方法を説明しました。
納品書や見積書についてもPDF出力ができることを確認しています。
会計連動は必要に応じて選択
会計システムとの連動についても検討しましたが、今回は追加費用を伴う会計連動オプションの導入を見送りました。
このように、標準機能を基本としながら、優先順位を付けて必要な機能を選択しています。
7.導入後の追加カスタマイズ
提供資料で確認できる範囲では、導入後に追加受注したカスタマイズはありません。
2025年および2026年のシステム利用継続に関する注文書は確認できていますが、これらはカスタマイズの追加受注には含めていません。
8.この事例から分かること
今回の導入事例には、次の3つのポイントがあります。
① 業種よりも実際の業務内容を重視する
鋼材や資材を加工する企業でも、加工賃の請求が中心であれば、標準的な販売管理パッケージで対応できる場合があります。
② 既存の項目や標準帳票を活用する
商品マスタの備考欄や標準納品書を利用することで、大がかりな機能追加を行わずに業務上の要望に対応できました。
③ カスタマイズの必要性を見極める
当初検討した図面ファイル連携機能は12.0人日と比較的大きな工数でしたが、導入時点での必要性を確認して見送りました。
結果として、採用されたカスタマイズは1.2人日に収まりました。
販売管理システムを導入する際には、現在の業務をすべて再現することだけでなく、標準機能を活用し、必要な機能から段階的に導入する方法も有効です。
9.ご検討中の企業様へ
「ふくろう販売」シリーズでは、業種別パッケージと標準パッケージを用意し、実際の業務内容に合わせたシステム導入をご提案しています。
「既存の帳票を使いたい」「独自の管理番号で検索したい」「現在の業務に合わせた小規模な変更を行いたい」といった場合にも、標準機能の活用と必要なカスタマイズを組み合わせることで、導入費用を抑えられる場合があります。
ご注意
本記事は、過去の導入時における見積資料・注文書・打ち合わせ内容をもとに、企業名を匿名化して紹介したものです。
- 掲載した工数は当時の見積工数であり、実際の開発工数や今後の見積工数を保証するものではありません。
- 参考価格は1人日80,000円(税抜)で算出した概算額であり、実際の販売価格・契約金額とは異なります。
- 過去にカスタマイズした機能が、現在では標準機能として提供されている場合があります。
- 人件費・物価の変動やシステム仕様の変更などにより、実際の導入費用は異なります。
- 最新の機能・仕様・価格については個別にお問い合わせください。