鋼材加工業|切断・フライス加工単価の自動計算と生産管理

事例の概要

鋼材の販売・切断・フライス加工・研磨加工を取り扱う企業における、販売管理システムのカスタマイズ事例です。

鋼材加工業では、材質・寸法・加工方法・数量などによって加工単価が変わるため、一般的な販売管理システムだけでは対応しにくい業務があります。

本事例では、「ふくろう鋼材」をベースに、切断賃・フライス加工単価の自動計算、生産管理、加工依頼書の出力などをカスタマイズしました。

その後も、得意先別の商品単価管理、研磨加工への対応、加工単価の計算方法の見直し、帳票の改善など、業務上の要望に合わせて機能を追加しています。

特徴は、最初からすべての業務を独自開発するのではなく、鋼材向けパッケージの標準機能を活用しながら、加工業務に必要な部分を段階的にカスタマイズした点です。

導入前の課題

鋼材加工業では、通常の商品販売に加え、切断やフライス加工、研磨加工などの工程が発生します。

特に次のような業務への対応が求められていました。

  • 加工単価の計算:切断寸法や加工条件によって異なる単価を計算したい。
  • 生産・加工工程の管理:受注から加工指示、加工状況の確認までを管理したい。
  • 加工依頼書の発行:切断・フライス加工などの依頼内容を、作業先に分かりやすく伝えたい。
  • 得意先別単価の管理:得意先や取引条件に応じて、適切な販売単価を適用したい。
  • 帳票の改善:納品書や請求書などを、鋼材加工業務に適した形式で発行したい。

こうした業務を販売管理と連携させるため、加工単価計算や生産管理を中心としたカスタマイズが検討されました。

導入時のカスタマイズ内容

導入時には、加工単価の自動計算と生産管理を中心に、次の機能を整備しました。

カスタマイズ項目工数(人日)参考価格(税抜)
切断賃の自動計算9720,000円
フライス加工単価の自動計算12960,000円
生産管理機能272,160,000円
生産明細表3240,000円
発注からの切断依頼書出力3240,000円
発注からの加工依頼書出力3240,000円
受注からの切断依頼書出力3240,000円
納品書レイアウトの修正3240,000円
請求書レイアウトの修正3240,000円
合計665,280,000円

※参考価格は、カスタマイズ工数に1人日80,000円(税抜)を乗じた概算額です。実際の販売価格・契約金額とは異なります。パッケージ利用料、導入支援費等は含んでいません。

1.切断賃・フライス加工単価の自動計算

鋼材の加工条件に応じた単価計算を販売管理に組み込みました。

これにより、加工単価の計算結果を売上入力などに利用できる仕組みを整備しました。

2.生産管理機能

加工を伴う受注について、生産管理機能を追加しました。

加工業務と受発注・販売管理を関連付け、加工状況を管理するための仕組みです。

3.切断依頼書・加工依頼書の出力

受注・発注データから切断依頼書や加工依頼書を発行できるようにしました。

加工依頼に必要な情報を帳票として出力することで、取引先や加工現場への作業指示に活用することを目的としています。

4.納品書・請求書のレイアウト変更

鋼材加工業務で必要となる表示内容に合わせ、納品書と請求書のレイアウトを調整しました。

導入後の追加カスタマイズ(導入後6年0か月迄)

導入後も、加工方法の追加や単価管理の見直し、帳票の改善など、業務の変化に合わせたカスタマイズが行われました。

追加カスタマイズ項目工数(人日)参考価格(税抜)
商品登録画面の売上単価5~20への対応3240,000円
得意先別商品単価の種類選択6480,000円
加工単価の計算式変更9720,000円
商品マスタへの加工単価計算用項目追加6480,000円
伝票入力画面への公差項目追加9720,000円
重量制限による1個単価計算3240,000円
フライス・研磨加工入力の変更9720,000円
加工依頼書の変更6480,000円
納品書の変更3240,000円
発注入力への状況ステータス追加3240,000円
工場向け加工画面への項目追加3240,000円
その他の変更3240,000円
フライス・研磨加工単価登録への変更3240,000円
フライス・研磨加工計算方法の変更4320,000円
加工依頼書の2枚セット出力1.5120,000円
寸法表記の小数点以下ゼロ省略1.5120,000円
見積段階からの発注入力対応3240,000円
合計766,080,000円

※参考価格は、カスタマイズ工数に1人日80,000円(税抜)を乗じた概算額です。実際の販売価格・契約金額とは異なります。パッケージ利用料、導入支援費等は含んでいません。

1.商品単価・得意先別単価の管理

商品登録画面で管理する販売単価の種類を拡張し、受注・売上入力時に追加した単価を利用できるようにしました。

また、得意先別単価登録で単価種類を選択し、伝票入力時に指定された種類の単価を採用する機能を追加しました。

鋼材加工業では、得意先や加工条件によって価格設定が異なるため、こうした単価管理の柔軟性が重要になります。

2.加工単価の計算方法の拡張

加工単価の計算式を変更するとともに、商品マスタへ計算に必要な項目を追加しました。

さらに、伝票入力画面への公差項目の追加や、重量制限による1個単価計算などにも対応しました。

加工条件に応じた価格計算を販売管理システム内で行うための機能拡張です。

3.フライス・研磨加工への対応

従来のフライス加工単価登録を、フライス・研磨加工単価登録へ変更しました。

加工単価の計算方法も見直し、複数の加工方法に対応できるようにしています。

4.加工依頼書の2枚セット出力

加工依頼書を次の2枚1セットで出力できるようにしました。

ページ出力内容
1ページ目切断依頼書・仮納品書・受領書
2ページ目加工依頼書・仮納品書・受領書

切断と加工の依頼内容を一連の帳票として出力することで、加工先との書類の受け渡しを整理するためのカスタマイズです。

5.寸法表記の改善

見積書・注文請書・切断依頼書・納品書・請求書・注文書などの対外帳票について、寸法の小数点以下がゼロの場合は表示を省略するようにしました。

例えば、寸法が「100.000」の場合に「100」と表示することで、帳票の視認性を高めることを目的としています。

なお、この変更は対外帳票が対象で、社内向け明細表などは対象外です。

6.見積段階からの発注入力

受注入力で状況が「見積」の場合でも、発注入力画面を表示できるようにしました。

これにより、正式受注前の見積段階でも発注データを作成する運用に対応しました。

ただし、見積から受注へ状況を変更した場合、発注側の状況は自動連動せず、手動で変更する仕様です。

見送りとなったカスタマイズ

導入前の検討段階では、複数のシステム構成やカスタマイズ案が見積もられていました。

また、導入後にも、加工単価の追加計算や商品マスタの拡張などについて、採用内容とは異なる見積案が作成されています。

これらには、後の見積で内容が変更されたものや、注文書による受注確認ができないものが含まれます。

そのため、本事例では受注が確認できたカスタマイズと、検討段階にとどまった見積内容を区別しています。

システムの構成と導入効果

本事例では、鋼材販売・加工業向けの「ふくろう鋼材」を採用しています。

販売管理の基本機能を利用しながら、加工単価の自動計算、生産管理、加工依頼書など、企業固有の業務に必要な機能を追加する構成です。

期待された効果は、加工単価計算のシステム化、受注・発注・加工情報の連携、帳票作成業務の整理などです。

なお、作業時間の削減率や金額的な効果については、提供資料から実績を確認できないため記載していません。

この事例から分かること

鋼材加工業の販売管理では、一般的な売上・仕入・在庫管理だけでなく、加工方法に応じた単価計算や加工工程との連携が重要です。

本事例からは、次の点が参考になります。

  • 標準パッケージの活用:販売管理の基本部分を標準機能で対応し、独自性の高い加工業務をカスタマイズする。
  • 段階的な機能拡張:導入時に必要な機能を整備し、運用後の要望に合わせて単価計算や帳票を改善する。
  • 加工業務に適した帳票:切断依頼書や加工依頼書を実際の作業工程に合わせて出力する。
  • 細かな業務改善:寸法の表示方法など、小規模なカスタマイズにも実務上の意味がある。

特に、導入後も継続してカスタマイズを行っている点は、パッケージを長期間利用するうえでの柔軟性を示す事例といえます。

ご検討中の企業様へ

鋼材販売・切断・フライス加工・研磨加工などを取り扱う企業様で、現在の販売管理システムでは加工単価計算や加工依頼書の作成に対応しきれない場合は、業務内容に応じたカスタマイズをご検討いただけます。

標準機能で対応できる部分と、追加開発が必要な部分を整理し、業務に適したシステム構成をご提案します。

ご注意

本事例は導入当時の仕様に基づくものであり、現在では標準機能として提供されている場合があります。

記載した参考価格は、統一単価による概算額であり、実際の販売価格・契約金額とは異なります。

カスタマイズ工数や仕様は、システムのバージョン、業務要件、開発環境などによって変動します。

最新の機能・仕様・価格については個別にお問い合わせください。 Astem

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